2004年9月中旬に土星の南半球に現れた、巨大で明るく複雑な対流嵐は、リングがあるこの惑星についての長年の謎を解く鍵だった。
この画像では、土星の大気とそのリングが、疑似色合成画像で示されている。これは、さまざまな量のメタンガスを検知するフィルタを使って、近赤外線で撮影したCassiniの画像から作成されたものだ。雲の上にメタンガスが大量に存在する場合、その部分の大気は赤色で示されており、大気中で高度が低いところに雲が存在することを示している。灰色は高い高度にある雲を示しており、茶色は中間的な高度の雲を示している。リングの粒子とカメラの間にはメタンガスが存在しないため、リングは明るい青色になっている。
中心から少し右上にある、腕のような形と二次的な延長部分を持つ複雑な構造は、ドラゴンストームと呼ばれている。ドラゴンストームは、南半球の1地域に位置しており、2007年にCassiniで活発な嵐の活動が観測されたことから、イメージング研究者たちはこの地域を「嵐の通路」と呼んでいる。
Cassini-Huygensミッションに関する詳しい情報は、http://saturn.jpl.nasa.govにある。画像は、Cassiniイメージングチームのホームページhttp://ciclops.orgで見ることができる。
提供:NASA/JPL/Space Science Institute