この不規則に広がる水星のカロリス盆地は、太陽系で最大の衝突盆地の1つだ。太陽系の初期に、小惑星サイズの大きな天体が衝突してできたこの盆地は、約1500kmにわたって広がっており、色を強調したこのモザイク画像では、黄色っぽい色に見える。
この画像データは、MESSENGERが2008年1月14日に行ったフライバイの際に、水星撮像システム(MDIS)が捉えたものだ。盆地の周辺にあるオレンジの斑点は、噴火口だと今では考えられており、水星のなだらかな平原が実際は溶岩流であることの新たな証拠となっている。NASAのMESSENGERミッションではこのほかに、水星が地球と同じように、巨大なコアのダイナモプロセスで生成された全球的な磁場を持つことや、そのコアが冷えるにしたがって、水星の表面がかなり縮んだことなどの証拠が発見されている。
提供:NASA