Cassiniは、土星軌道に入る9日前、土星のリングのこの素晴らしいナチュラルカラー画像を撮影した。この合成画像を構成している画像は2004年6月21日、土星から640万kmの距離で、リング面の下の、Cassiniにとって見晴らしのいい位置から狭角カメラで撮影された。この画像のスケールは、1ピクセルあたり38km。
この画像の右上から左下に向かって湾曲している、リングで最も明るい部分はB環である。B環全体にある多くの帯には、砂色が目立つ。土星のリング全体には、これ以外の色の違いが見られる。土星のリングの色の違いは、これまでにVoyagerやHubble宇宙望遠鏡の画像で確認されていた。Cassiniの画像からは、このリングの色の違いが、地球から見るよりも、この位置から見た場合によりはっきりとすることが分かる。
土星のリングは、主に水の氷からできている。純水の氷は白であるから、リングのさまざまな色は、岩石や炭素化合物などほかの物質の混入量が異なっていることを反映していると考えられている。Cassiniの画像は、Cassiniに搭載されたほかの観測機器からの情報と組み合わせることで、科学者が土星のリングのさまざまな部分の組成を測定するのに役立つだろう。
提供:NASA/JPL/Space Science Institute