新しい競合企業がウェブの形を変えようとし、新しい製品がウェブの焦点を変えつつある今、Googleであるということは何を意味するのだろうか。
意味を問う質問は、Googleの歴史上ほとんどの時期において簡単に答えられる質問だった。Googleは検索を意味していた。Google自身の辞書アプリケーションでも、「Google」という言葉は「検索する」という意味の動詞として定義されている(Merriam-Websterもこの語義を採用した)。Googleのブランドは、米Yahoo、Lycos、Ask Jeeves、Microsoftなどの競合他社が採用した伝統的なブランド広告を行わないという極めて意識的な決定を通じて、現在のような高みに達した。
その戦略が功を奏したことは明らかだ。しかし、Googleは新たな時代を迎えようとしており、携帯電話からブロードバンドネットワーク接続、ビジネスサービスまで、あらゆる分野に進出している。
もはやGoogleは、「検索」を意味する言葉とはいえなくなった。少なくとも、検索だけを意味するものではない。程度はさまざまだが、今や電子メール、ブラウザ、ブロードバンドネットワーク接続、代替エネルギー、パーソナルコンピューティングという意味もあるし、一部の人にとっては恐るべき巨大インターネット企業という意味もある。Googleはこれらの分野のいくつかで限られた量の広告(「Google Docs」の「Going Google」キャンペーンなど)を行ったが、自社のストーリーをより広い範囲に伝えようという誘惑には抗い続けている。
この姿勢は今に変わるかもしれない。Googleの幹部は、同社のマーケティング戦略がどのように進化していくかについてコメントを差し控えている。その理由について、Federated Mediaの会長兼最高経営責任者(CEO)であり、Googleの隆盛について解説した「The Search」の著者であるJohn Battelle氏は、Googleが成長したときにどうなりたいかを自身でまだよく分かっていないからだと考えている。
「Googleは、検索の次に来る世界で自社のブランドが何を意味するようになるのかをまだ決めていない」とBattelle氏は言う。その「検索の次に来る世界」はどのようなものになるのかという議論を、Facebookが米国時間4月21日に開催のf8カンファレンスで突き付けたことで、Googleの課題リストに新しい項目が加わった。
Googleは1990年代後半の創業初期に、ごく短期間だが伝統的なマーケティングを検討したことがあった。結局のところ、他の誰もがやっていることだったし、ドットコムブームの中で人々に認知してもらうには、その競争に加わるしかないように思われた。
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