グーグルのこれからのブランド戦略--検索サービスの先にあるもの - (page 3)

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年05月06日 07時30分

 Facebookの規模とその野望からは、ダイナミックなウェブビジネスを構築する上で、口コミと広報活動が今も非常に有効な手段であることが分かる。しかしそれは、マーケッターが見て影響を及ぼしたいと考えるようなコミュニケーションの場は、ますますGoogleのない場所に移りつつあることも示している。

 また、コンピューティングにおける次の大きな市場では、Googleはいわゆる進退きわまった状態にある。パートナーをサポートして「Android」技術をAppleの「iPhone」の強力なライバルとして確立することと、自社の携帯電話「Nexus One」の販売促進によって携帯電話の販売方法を変革することの間で板挟みになっている。

 Battelle氏は「Googleは、ブランドの課題でもありチャンスでもあるものに直面している」と述べ、同社はいずれブランドを検索からソフトウェアにシフトすることになるとの考えを示した。これは多くの企業にとっては、むしろぜひとも直面したい課題だ。結局のところ、インターネットを使ったことのある人のほとんどはGoogleに接したことがあり、その市場シェアの数値がGoogleの健在ぶりを証明している。

 しかしGoogleは、少なくともシリコンバレーのめまぐるしいスピードの基準でいえば、年老いてきている。インターネット検索自体の成長が横ばいになり、また(これがさらに重要なことなのだが)マーケッターがいっそうコンシューマーに近づけるFacebookやTwitterのようなサイトの隆盛に伴い、製品マーケティングチームにとってのインターネット検索の魅力が薄れつつある中、Googleは、自社が成長を続けられる方法を見つける必要がある、ということを理解している。同社はモバイル検索が今も大きなチャンスであると考えている。確かにそれは正しいが、モバイル広告プラットフォームはディスプレイサイズに制約があることから、デスクトップ広告プラットフォームとは異なった進化の道を辿る可能性もあるように思われる。

 これはつまり、Googleは単なる検索企業を超えるものとして自身を定義する必要が出てくるということだ。Googleは、Yahoo、Lycos、Ask Jeeves、そしてかつてのMSN Searchとは異なりコンシューマー認知度の高い確固たるブランドを持つ、資金潤沢な競合企業のいる分野での成長を模索している。

 有能な政治家であれば、「自分が何者であり、何者になりたいかを自分で定義せずに表に出れば、他の誰かが喜んで代わりに定義してくれる」と言うだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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