しかし、Googleの初代マーケティング責任者だったCindy McCaffrey氏が、母校ネブラスカ大学リンカーン校の同窓会誌のインタビューで語ったところによると、共同創業者のSergey Brin氏とLarry Page氏は、ビジネスに関してはあらゆる伝統的なものに懐疑的だったという。同社は、伝統的なブランド広告キャンペーンを実施すればどれほどのコストがかかるかを知って、代わりにその資金をエンジニアリングとインフラストラクチャに充てることにした。
McCaffrey氏は、Googleのストーリーを世界に発信するために、プロモーションのもう1つの面、つまり広報に目を向けた。その結果、効果的な記事の掲載、実在の人物が書く企業ブログ、そしてGoogleがインターネット検索を大きく変えたことを認識し始めた人々による純粋な口コミによる話題作りが組み合わされることとなった。
以来この方法が、Googleの標準的な活動方法となっている。ところが、Googleは事業を拡大するにつれて、その分野に深く根ざしたブランドを持つ企業と競争することになった。例えば、デスクトップビジネスソフトウェアにおけるMicrosoftや、ガジェット市場におけるAppleといった企業だ。
これがきっかけとなり、Googleはさまざまな場所で自社の製品やサービスの広告を試すようになった。「Google Chrome」のテレビCMを放映し、この1年間は「Google Apps」のプロモーションのために、まさに伝統的な雑誌広告、看板広告、ディスプレイ広告キャンペーンに資金を投入した。
驚きの出来事は2010年2月に起こった。Googleは、スーパーボウルのテレビ中継で同社の基本的なサービス、つまりインターネット検索のCMを放映した。その時点での同社の主張は、これは1回きりの広告であり、マスメディア広告を本格的に採用する全体的な戦略の一環というわけではない、というものだった。
しかし本格導入前の試験運用だった可能性もある。結局のところ、Googleはデータを入手せずに意思決定を行うことを好まないし、米国史上最多の視聴者数を獲得したテレビ番組からは多くのデータを得られたに違いない。
Googleは現在、変動する業界の中で企業文化を維持しようと努めており、難しい立場にある。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス