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第11回:CCPMから学ぶデジタルマーケティング経営

田中猪夫(日本総合研究所 特命研究員)2014年04月28日 10時00分
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今回のポイント

 プロジェクトマネジメントは「シングルのシングルプロジェクト」「シングルのマルチプロジェクト」「マルチのマルチプロジェクト」の3つによりマネジメントのフォーカスが違う。今回はB777のプロジェクトで採用され、大和ハウスのERPプロジェクトでも採用されたCCPM(Critical Chain Project Management)から、デジタルマーケティング経営のプロジェクトの粒度について考察する。

B777は「シングルのマルチプロジェクト」

 友人のCCPMコンサルタントの仲間がB777のCCPMコンサルで、その概要を聞いたことがあるが、設計開発に関係する人は15万人。200のプロジェクトが平行して動くため、プロジェクトマネジャーは200人。各プロジェクトのタスクは250タスク(ERPなどの導入プロジェクトは60タスク程度?)。このプロジェクトのことを、「プログラム」(1プロジェクトの総称)と呼ぶそうだ。B777の開発が目的だから当たり前だが、その下に200のプロジェクトと250のタスクがあるひとつのプロジェクトということになる。

IT部門は「マルチのマルチプロジェクト」

 IT部門ではERP、SCM、セキュリティ、BYOD(Bring your own device)などと、マルチプロジェクトが走っていると思うが、その目的はバラバラでマルチのマルチプロジェクト。B777のようにプロジェクトの目的がひとつではない。

従来のデジタルマーケティングは「シングルのシングルプロジェクト」

 従来のデジタルマーケティングのプロジェクトはプライベートDMP、マーケティング・オートメーション、グローバルWeb、O2O、オムニチャネル、動画広告などがバラバラに行われるシングルのシングルプロジェクトではあるが、それぞれの目的は何だろう。バラバラなものを束ねて、IT部門と同じようにマルチのマルチプロジェクトと捉えると本質を見誤る。

デジタルマーケティング経営は「シングルのマルチプロジェクト」

 デジタルマーケティング経営の目的は、

「顧客を創造すること」

である。

 さらに位置付けを明確にするならば、会社は「誰のもの」かというと株主のもの(所有)である。しかし、会社は「誰のためのもの」かというと、ドラッカーは

『会社は、株主のためのものでも、ステークホルダーのためのものでもなく、社会のためのものである』

と答えている。

「社会」とは
「先進国の社会」であったり、
「新興国の社会」であったり、
「BOP(Base of the Pyramid)の社会」でもあり、

そして、ビジネス(事業)とは、そこで「顧客を創造すること」ということで、デジタルマーケティング経営はその手段となる。

今回のゴール

 デジタルマーケティング経営を「Demand Chain Management」と捉えることがCMOとして必要な高みで、プロジェクトはシングルのマルチプロジェクト。そして、運用が最も重要で、そのROI( Return On Investment)の「R」は財務会計の勘定科目の売上につながるもの、例えば「創造された顧客数(金額)で見える化」されなければない。

 今回でこの連載は終わるが、ご興味のある方は拙著「勝ち続けるための-デジタルマーケティング経営」をご参考いただければ幸いである。

田中猪夫
◇ライタープロフィール
田中猪夫(一般財団法人 日本総合研究所 特命研究員)
1959年11月19日、岐阜県生まれ。
日本版システム工学を専門とする。
20代に、当時発売したばかりのPCでのVARビジネスを創業
30代に、イスラエルITテクノロジーの日本への展開に尽力
40代に、外資系ITベンダーの日本法人のマネジメント
現在は、一般財団法人日本総合研究所 特命研究員。
デジタルマーケティング経営研究会」を主催・運営。
主な著書
勝ち続けるための- デジタルマーケティング経営(原著)」PDF版
あたらしい死海のほとり」(Kindle版)
New shores of the Dead Sea」(Kindle版)

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