Touch IDの目的は、iPhoneのロック解除を簡単にすることで、ユーザーが適切なセキュリティ機能を利用できるようにすることだ。多くのiPhone 5sユーザーは、この試みが成功だったことに同意するだろうが、その副作用として、彼らはiPad Airのホームボタンに指を押し当てて、なぜ画面のロックが解除されないのかとイライラすることになるだろう。もちろん、それでiPad Airのロックが解除されることはない。ほとんどのiPadは家の外に持ち出さずに使われているため、セキュリティの問題が小さいのは確かだ。しかし、iPhone 5sユーザーであれば、アプリをダウンロードするたびにiTunesのパスワードを入力する必要がないという便利さだけのためでも、Touch IDが欲しいと思うはずだ。この機能が省かれたのは非常に残念であり、「Siri」が当初「iPhone 4S」専用の機能だった時のことを思い起こさせる。次の世代のiPadでは、おそらくこの問題は修正されるだろうし、変更は「iPad Pro」からになるかもしれない。
第4世代iPadには、iPhone 5に搭載された「A6」プロセッサのカスタム版である「A6X」と呼ばれるプロセッサが搭載され、ほかのものがデュアルコアであったのに対し、クアッドコアの構成になっていた。しかしAppleは、今回の新型にはコアは2つで十分だと考えたようで、iPhone 5sに搭載されたのと同じ、デュアルコアの64ビット「A7」プロセッサが使用されている。しかし、失望する必要はない。iPad Airの動作はおそろしく高速だ。興味深いことに、RAMの量が同じである(1Gバイト)iPhone 5sと比較しても、若干高速になっている。どうやらAppleはクロック数を引き上げたらしく、Geekbenchの実行結果によれば、iPhone 5sのプロセッサの動作速度が1.29GHzだったのに対し、1.39GHzになっている。
ここでは、iPad Airで定番のベンチマークを実行し、最新のiOS(7.0.3)を載せた第4世代iPadと比較してみた。その結果は非常に満足できるものだった。SunSpider 1.0.1では、先代iPadがテスト完了までに平均661msかかったのに対し、iPad Airは平均402msという、驚くべき速度だった。つまり、ウェブの表示速度は50%以上高速化されたことになる(iPhone 5sの記録は417msだった)。Geekbench 2でも、1797対2382という同様の結果が出ており(スコアは高いほどよい)、Geekbench 3では差はさらに広がり、1429対2688となった。実際、iPad Airのシングルコアでのスコアである1475は、第4世代iPadのデュアルコアでのスコアを上回る。
発熱が気になる方もいるだろうが、確かにこういった高負荷の状態では、iPad Airはかなり高温になる。フルパワーの状態では、背面に触ると指がやけどしそうだった先代よりもやや温度は下がっているが、それでもかなりの発熱であり、スリムになった新型iPad Airが全力で働いていることがよくわかる。
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