--それではGoogleは何をしたのか。
Googleは、SunのJavaからさまざまなテクノロジを借用した。プログラミング言語自体や、APIの多くでJavaプログラムが呼び出す構文、仮想マシンアプローチなどだ。
しかし、GoogleはSunとは違ったやり方もしている。まず、Googleは「Dalvik」と呼ばれる独自の仮想マシンを構築した。次に、同社はAndroidのクラスライブラリに「Harmony」と呼ばれる別のオープンソースJavaプロジェクトを採用した。IBMなどが支持するHarmonyは、Apache Licenseによって管理されている。Apache LicenseはGoogleが好むオープンソースライセンスで、人々が結果に対する責任を負うことなく、オープンソースソフトウェアと独占的なソフトウェアを組み合わせることを認めている。
GoogleによるJava風ではあるが完全なJavaではないアプローチにSunは不満を述べたが、Googleは態度を変えなかった。そして、Googleは正式なJavaブランドのラベルを何にも付けようとはしないことを明確に示した。少なくとも、Harmonyで成し得なかったこと、つまりJavaプログラムの正常な動作を保証するJava Technology Compatibility Kit(TCK)の使用を認めるようにGoogleがSunを説得できる可能性は低いように思われる。
要するに、GoogleはSunを回避した。そして、Javaの模造品を作り上げてスマートフォンプログラム向けの基盤に組み込み、Sunにとっては夢に描くことしかできないような驚異的な成功を収めた。
--Oracleはどう対応しているのか。
訴訟だ。
GoogleはJavaのライセンス料を支払うべきだった、そして同社はJavaを互換性のないバージョンに断片化することによってJavaに損害を与えた、とOracleは主張している。Oracleによれば、このことは一度書けばどこでも実行できるというJavaの前提を損ない、価値を下げているという。Oracleは、Googleが特許と著作権の両方を侵害したという主張を振りかざしている。
証拠として提出された数多くの電子メール(PDFファイル)から判断すると、Googleがさまざまなライセンスオプションを検討したのは間違いないようで、実際に2009年には、「GoogleがJavaの権利(特許や著作権など)をSunから買収し」、その額は1億ドルから5億ドルに達するという驚くべき1つの可能性も考慮されている。
しかし、両社が合意に達することはなかった。そのため、OracleのCEOであるLarry Ellison氏とGoogleのCEOであるLarry Page氏が証人として召喚されることになった。
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