Microsoftの「Internet Explorer(IE)」は、企業での利用と「Windows」との結び付きのおかげで、10年前に最初のブラウザ戦争で「Netscape」に勝利して以来、ブラウザ分野で支配的な地位を維持してきた。
しかし、2001年の「Windows XP」リリース後、MicrosoftはIEの停滞を許し、「Firefox」や、最近では「Google Chrome」の台頭の足掛かりとなる隙を生み出すことになった。
そして、米国時間8月16日に15周年を迎えたIEは、市場のリーダーではあるが、強力なライバルに立ち向かう新興ブラウザのようでもある。
しかし、IEの重要性や競争力はかつてないほど高まっているといっていいだろう。7月時点のMicrosoftのブラウザ市場シェアは60%強で、過去数年間はFirefoxとChromeに道を譲ってきたものの、ここにきて2カ月連続でシェアを伸ばしている。Net Applicationsによると、Firefoxのシェアは約23%、Chromeが約7%、Appleの「Safari」が約5%だという。
Googleが主張しているのは、同社のChromeが最高のブラウザだということだけでなく、Chrome(と同ブラウザが接続するウェブベースのサービス)が非常に高機能になったために基本的なPCにほかのものはほぼ何も要らないということだ。「Google Chrome OS」をベースとした初のネットブックの発売が予定されている2010年中に、この主張が製品の形で現れることになる。
一方のMicrosoftは、改良版のIEが、PCとWindowsが依然として重要だという自社の主張の支えとなることを期待している。Microsoftは「Internet Explorer 9(IE9)」によって、ブラウザ戦争で自社の存在感を再びアピールするとともに、現在のコンピュータに備わったグラフィックス処理能力を活用できるようにブラウザを拡張することで、PCの力を示そうとしている。
Microsoftは、IE9のテクニカルプレビュー版をすでにいくつかリリースしており、現在は9月15日リリース予定のIE9ベータ版の開発に取り組んでいる。最終版のリリース時期については明らかにしていないが、2010年内にリリースされる可能性は低そうだ。2011年春の展示会MIXでのリリースが妥当な線とみられている。
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