Microsoftは米国時間11月18日、「Internet Explorer(IE)9」について語り、ブラウザにおける主導権を取り戻そうとしていることを示した。
IEは依然として、インターネットで最も有力なブラウザだ。しかし、Microsoftが1990年代のブラウザ戦争でNetscapeを打ち破り、ブラウザへの取り組みを縮小した結果、IEは残念ながら、いわばテクノロジ面での敗者になってしまった。
それによって、ライバルが発展する機会が残された。最も顕著なものが「Firefox」で、現在ウェブサーファーの4分の1に使われている。また、Appleの「Safari」は、今では「Mac OS X」だけでなく「Windows」上でも動作する。さらにGoogleの「Google Chrome」が、ウェブを高速化してアプリケーションのための優れた基盤にすることを目指している。
しかしMicrosoftは、IE開発に再びリソースを投入しており、ロサンゼルスで開催の同社Professional Developers Conferenceでは、そうした努力の成果がいくつか紹介された。特に、Windows部門担当プレジデントのSteven Sinofsky氏は、テキストとグラフィックスに対するIE 9の新しいハードウェアアクセラレーションを公開した。
IE担当ゼネラルマネージャーのDean Hachamovitch氏によれば、IE 9のアクセラレーション機能は、PCのプロセッサを活用するGoogleの「Native Client」や3Dグラフィックスのパフォーマンスを向上するMozilla Foundationの「WebGL」といったほかのブラウザ加速テクノロジよりも有用な方法で、これまで使用されてこなかったコンピューティング能力を活用するという。
Hachamovitch氏は、Sinofsky氏の講演の後に行われたインタビューで、次のように述べた。「これは、すべての人の日常的なウェブ利用を直接改善するものだ。ウェブ開発者が以前と同じことをするだけで、PCのグラフィックハードウェアを直接利用して、テキストやグラフィックスをよりよく機能させることができるようになる」
なぜわざわざこのようなことをするのだろうか。簡単に言えば、Windowsビジネスを良好な状態にしておくためだ。
「消費者、そしてすべての人のための優れたブラウザを構築するにあたっての目標は、そうした人々がWindowsカスタマーであることだ。それが中心にある」とHachamovitch氏は言う。
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