Mozilla Foundationが「Internet Explorer(IE)」の圧倒的なシェアを減少させるには、5年を超える懸命な努力と、利益をもたらすGoogleとの提携関係が必要だった。しかし、このことがそれほど困難である必要はないのかもしれない。
欧州連合(EU)における、Microsoftに対する独占禁止法訴訟のおかげで、いくつかのマイナーなブラウザに支援の手が差し伸べられようとしている。マイナーブラウザの存在価値を高めようとする努力を後押しすることになるかもしれない。少なくとも、欧州の人たちが1つのスクロールバーに気付けば、の話だが。
「バロットスクリーンは『Maxthon』にとって大きなチャンスを意味している」。Maxthonの広報担当者Ron White氏はこのように述べる。Maxthonはあまり知られていないブラウザの1つだが、欧州の人々は今後その存在に気付くことになる。「選択画面がMaxthonとその他のあまり知られていないブラウザ6つをできる限り隠そうとしているとしても、バロットスクリーンがあることによって、膨大な数のコンピュータユーザーにMaxthonの存在を気付いてもらえることは、まず期待して良いだろう。これがなければ、多くのユーザーは一度もその名を耳にすることがなかったかもしれない」(White氏)
Microsoftは、EUの独占禁止法訴訟に関する2009年の和解によって、EU内の「Windows」ユーザー(欧州委員会の見積もりによると約1億人)に対し、ブラウザの選択肢を並べた「バロットスクリーン」を表示する意向だ。
Microsoftの法律副顧問Dave Heiner氏は最近のブログ記事に、「3月1日の週から、欧州全域で更新の段階的な展開を開始する予定だ」と記しており、あるMicrosoft関係者は、同社が確かに、すべてのEU加盟国においてブラウザ選択のための更新を配布し始めたことを認めた。
欧州委員会はこの動きを歓迎しており、「このことにより、実力本位の競争が確実になり、消費者は、ウェブブラウザ市場と、ウェブベースアプリケーションなどの関連市場の両方で、技術の発展と革新の成果を享受できるようになるはずだ」と述べている。
ブラウザ選択の仕組みはこうだ。Microsoftが配布を開始した「Windows Update」の変更が適用されると、Internet Explorerがデフォルトのブラウザとして設定されているユーザーにブラウザの選択肢が表示される。選択画面には、特に広く使用されている5つのブラウザ、つまりIE、「Firefox」、Googleの「Google Chrome」、Appleの「Safari」、そして「Opera」が、ランダムな並び順で表示される。アイコンの近くには、インストールを実行するリンクや詳細情報を見るためのリンクがある。
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