グーグルがモトローラ・モビリティを買収 その影響は
検索大手Googleは米国時間8月15日、Motorola Mobilityを125億ドルで買収することで合意したと発表しました。Motorola Mobilityの8月12日の株価終値に63%のプレミアムを付した買い取り額を提示したものです。
今回の買収は、「Android」普及戦略上障壁となりつつあった訴訟問題への解という側面を持っています。ここ数カ月間、AppleやOracleなどが、競合企業のけん制とライセンス料の徴収を目的としてGoogleやそのパートナー企業を提訴していました。
パートナー企業の反応も出始めています。Androidを採用した製品を展開している携帯端末大手企業は、この決定を「Androidのエコシステムを防護するもの」とするコメントを発表しました。
Googleは声明文の中で「Androidは今後もオープンです」「GoogleはMotorola Mobilityを独立した事業として展開します」と述べています。
2011年第2四半期分の調査ではスマートフォンの世界シェアの43.3%を占めるに至ったとされるAndroid。今回の買収の影響やGoogleの携帯端末市場における今後の動きについて、パネリストの皆さんのご意見をお聞かせください。
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大橋賢治さん (株式会社トロイカ 代表取締役社長)
appleを車メーカーで例えるならメルセデスベンツやBMW。ロゴを見なくとも、一目見ただけでそれだとわかる独特のフォルム。appleの製品にはそれと同じ印象を受ける。
それは長い時間をかけて(苦しい時期も乗り越え)やっと手にできるものだと考えます。
google×Motorolaに関して言えば、いずれ直面する問題はそこだと感じます。
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Googleが、ハイセンスでCoolな端末を出すとは期待しませんが、Android携帯の画面推移や表示などパフォーマンスのベストプラクティスになって、他の端末メーカーをもっとやる気にさせてくれれば、いいのではないでしょうか?寸止めで買う気にならない僕を、その気にさせて欲しい!
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西山圭さん (アサップネットワーク株式会社 代表取締役)
Android市場を主にAppleから守るための、特許戦略が主目的なのは間違いないでしょう。
Androidの普及により、Googleがネットワーク~OSというレイヤーで覇権を握ってしまえば、もう一つのライバル、Facebookとの戦いも優位に立つことができるので、目先の収益や現金よりとにかくAndroidのシェアを1%でも上げたい意志...
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最終決戦へ望むGoogleの布石のひとつ。
Googleのミッション「世界の情報のすべてをオーガナイズし、それをアクセス可能にする」を結果として拒むこととなる存在の2大ライバルは、facebookとApple。
いや、それは拒むのではなく、結果として「『Google』が、世界の情報のすべてを…」の主語を変えてしまう脅威だ。
前者は世...
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後藤 康成さん (フィードパス株式会社 取締役 CTO)
これまでの流れからみて、グーグル自らがAndroidデバイス(スマートフォン/スマートパッド)を市場投入するのは十分に予想できたことであり、今回握手するディール相手がモトローラであっただけという印象です。63%の株価プレミアムには驚きましたが。
(ラリーがオープン性は保たれると言っている通りですが、)現在のマーケットの成長を見る限りプロ...
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blogに書いた通り。
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付け加えると、自らが作るハードウェアの互換機を許して失敗した例として、Macよりさらに適切な例としてPalmがある。スマートフォンの先祖でもあるPDAの世界で今のAndroid以上どころかモノポリーに近いシェアをかつて持っていたPalmは今一体どうなってしまったか?AndroidがPalmと同じ運命を...
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Android陣営の端末メーカーが「Androidのエコシステムを防護するもの」とコメントしている以上、
買収により膨大な特許リストを手に入れることで、アンチAndroid陣営と戦いやすくなる、というのが最初の影響だと思います。
これは全Androidユーザーにとってメリットです。特許ライセンス料金が下がり、訴訟関連のリスクが減ることで...