UPDATE 検索大手Googleは米国時間8月15日、Motorola Mobilityを125億ドルで買収することで合意したと発表した。これによりGoogleは、貴重な知的財産を取得し、携帯端末事業に直接参入することになる。
今回の買収は、「Android」の世界に安定性と不安をもたらす。Motorola Mobilityの買収により、Googleは、ますます増大する法的な対立勢力から自社と自社のパートナーを防衛するための豊富な特許を手に入れる。この数カ月間で、AppleやOracleといった主要な技術企業が、競合企業の牽制とライセンス料の徴収を目的として、Googleまたはそのパートナー企業らを提訴した。
Googleの最高法務責任者(CLO)を務めるDavid Drummond氏は15日の電話会議で、「われわれのすべてのパートナーのためにAndroidのエコシステムを保護することにおいて、非常によい位置につくことになると信じている」と述べた。同氏は、同社における今後の具体的な法的戦略を明らかにすることは避けた。
同時に今回の買収により、Googleは自社のパートナーの多くと競合するという気まずい立場に置かれることにもなる。Googleは初めて、これまでは距離を置いて育んできたモバイル事業に直接携わることになる。Googleは、膨大な数のスマートフォンおよびタブレットの動作に必須のAndroid OSを開発しているが、HTCやサムスンなどの携帯端末パートナーとともに数種類の試作モデルを開発した以外は、設計および製造事業そのものにはまだ参入していない。
Googleの最高経営責任者(CEO)を務めるLarry Page氏は電話会議で、Motorolaは独立した部門として運営すると述べ、Androidのオープン性を維持するというGoogleの意志を再度表明した。同氏は、Motorolaが、サムスン、HTC、LG Electronicsといった他のAndroidベンダーに対してどのように競争するのかという具体的な勢力関係については語らなかった。
Googleはそれよりも、この買収によって同社が得る防衛力に多大な関心を寄せている。
MotorolaのCEOであるSanjay Jha氏は15日の電話会議で、同社に1万7000件の特許および7500件の出願中特許が存在することを強調した。それらには、電話事業の中核的な要素ではないが、音声品質など機能の改善に利用することのできる、多くの非本質的な特許が含まれている。Androidパートナーらにこれらの特許の利用が許されることになるのか、それとも、Motorolaの特許ポートフォリオは単なる法的な防衛手段となるのかは明らかではない。
Drummond氏は、今回の買収には規制当局の承認が必要になると思うと述べ、承認されると確信していると付け加えた。
「Androidは明らかに、競争、革新、ユーザーの選択肢をもたらしている」と同氏は述べた。「そのエコシステムの保護が競争を促進することは、定義上ほぼ当然である」(Drummond氏)
その一方でGoogleは、今回の買収後もAndroidの世界における中立的な立場を維持するつもりである。
Googleのモバイル担当シニアバイスプレジデントを務めるAndy Rubin氏は15日の声明で、「Androidに対するわれわれのビジョンは変わらず、Googleは今後も、オープンプラットフォームとしてのAndroidと、活気あふれるオープンソースコミュニティを強く推進していく」と述べた。「革新的なAndroid搭載端末を開発および提供するために、われわれのすべての貴重なAndroidパートナーとともに協力し続けるつもりである」(Rubin氏)
Rubin氏は電話会議で、他の主要なAndroidベンダーも今回の買収に対する「熱烈な支持」を表明していると付け加えた。
Googleは、他のベンダーからのコメントを集めたウェブページを用意した。
サムスンでモバイル部門を率いるJ.K. Shin氏は、「15日の発表を歓迎する。これは、Android、そのパートナー、そしてエコシステムを防御しようとするGoogleの強い意志を示すものである」と同ページで述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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