あるべき姿を探すタブレット--アップル、グーグル、サムスンは三者三様の戦略

Lisa Eadicicco (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年11月04日 07時30分

 スマートフォンは超小型のコンピューターだが、その魅力は単純だ。それは、コミュニケーションやショッピング、道案内、銀行取引、仕事、ゲームなど、あらゆる用途に利用できるという点である。これはタブレットには当てはまらない。タブレットの役割は、超大型のスマートフォン、ノートPCの代替品、あるいはそれらとは全く別のものの間で常に揺れ動いているように思える。

 根拠の無い話だと感じたなら、Appleの新しい「iPad」のラインアップとまもなく登場するGoogleの「Pixel Tablet」を見てほしい。

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提供:Apple

 Appleの2022年モデルのiPadと「iPad Pro」の登場によって、iPadのラインアップはこれまで以上に多様化した(より無秩序になったとも言える)。Googleは、2023年に新たに登場するPixel Tabletで、タブレット戦略を完全に転換している。同製品は、基本的に、タブレットとスマートホームハブの両方の役割を果たす。そしてサムスンは、「Galaxy Z Fold」シリーズやそのほかの折りたたみ式のコンセプトで、スマートフォンとタブレットの体験を融合させるさまざまな方法を試している。

 アプローチはそれぞれ異なるが、メッセージは同じである。つまり、私たちの生活におけるタブレットの位置づけは常に変化しているために、それを定義することがますます難しくなっている、ということだ。このことは、AppleやGoogle、サムスンが市場で行っている実験や変革の度合いからも明らかである。

 スマートフォンやノートPCは、製造元に関係なく、概ね同じ目的を果たすように設計されているが、2022年以降のタブレットのあるべき姿については、巨大テクノロジー企業各社で見解が異なるようだ。長期的に見れば、それによって最終的により便利で価値のあるデバイスが誕生すればいいのだが、それまでの間、購入すべき製品を判断するのが困難になる可能性もある。

より多くの選択肢と混乱をもたらすAppleの新型iPadのラインアップ

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提供:Apple

 AppleとGoogle、サムスンの3社ともがこの数カ月の間に新しいタブレットデバイスを発表しているが、採用しているアプローチは各社で異なっている。直近では、Appleが先週、2種類の新モデルをiPadファミリーに追加したばかりだ。

 1つは、449ドル(日本版は6万8800円)の新型iPadだ。このモデルは、599ドル(9万2800円)の「iPad Air」の廉価版とも、329ドル(4万9800円)の第9世代のiPadの後継機種とも考えられる。新型iPadは、iPad Airのフラットなエッジやホームボタンに埋め込まれた指紋センサー、10.9インチの全面スクリーン、USB-C充電ポートを継承している。その一方で、2020年発売の「iPhone 12」と共に導入された「A14 Bionic」チップも搭載している。これは、第9世代のiPadに、「iPhone 11」と同じ「A13 Bionic」チップが搭載されているのとよく似たケースだ。Appleは同日、最新の「MacBook Air」や「MacBook Pro」と同じ「M2」プロセッサーを搭載した新型iPad Proも発表している。

 これにより、iPadの購入を検討している人にとって選択肢が増えたことになるが、Appleのタブレットラインアップが混沌として、分かりにくくなったことも事実である。449ドルのiPadと599ドルのiPad Air、799ドル(12万4800円)の11インチiPad Proがいずれも同様のソフトウェアを実行し、同様のニーズに対応しているので、購入側としてはどのiPadが自分のニーズに最も適しているのかを判断するのが、難しくなるかもしれない。

 Appleの現在のiPad戦略には、ほかにも判然としない部分がある。「Apple Pencil」だ。449ドルのモデルでUSB-Cポートが採用されたのは素晴らしいことだが、このモデルが第1世代のApple Pencilしかサポートしないという決定には首をかしげざるを得ない。第1世代のApple Pencilは、iPadのLightningポート経由で充電されるからだ。

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