あるべき姿を探すタブレット--アップル、グーグル、サムスンは三者三様の戦略 - (page 4)

Lisa Eadicicco (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年11月04日 07時30分

 また、同社は「CES 2022」で、現在模索中のその他のコンセプトも垣間見せており、新たな折りたたみ式デバイスもいくつか披露された。例えば、現行のGalaxy Z Foldのように中央で2つ折りになるクラムシェル型のほかに、2カ所で折り曲がって、アコーディオンのように3つ折りになるディスプレイを備えたタブレットサイズのコンセプト機が展示された。また、スライド機構で画面が拡張して小型のタブレットに変形するスマートフォンというコンセプトもある。

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提供:Samsung

 こうしたコンセプトが実際の製品になるかどうかは別として、サムスンが思い描くタブレットの未来は、状況に応じてスマートフォン、ノートPC、タブレットの各モード間で変化するようなデバイスになることは間違いない。

 だが今のところ、折りたたみ式デバイスは、より広いスマートフォン市場に生まれたばかりの1ジャンルにすぎない。International Data Corporation(IDC)によると、2022年の折りたたみ式スマートフォンの出荷台数は、前年比66.6%で成長する見込みであるものの、同時期のスマートフォン市場全体から見ると、その比率はわずか1.1%にとどまるという。こうした新しいコンセプトを発展させる前に、サムスンはまず、折りたたみ式デバイスに、そのプレミアム価格に見合うだけの価値があることを証明してみせる必要がある。それと同時に、折りたたみ式デバイスが本当に便利なものになるように、ソフトウェアを魅力的にしなくてはならない。

 それでも、サムスンは折りたたみ式デバイス市場を早くからリードしており、TCL、Motorola、そしておそらくはGoogleといった競合企業に火をつけたのも同社だ。

タブレットを購入するなら、おすすめはこれ

 これからのタブレットの使われ方は流動的かもしれないが、現在の市場でおすすめの選択肢はある。Appleの2021年モデルのiPadは、329ドル(4万9800円)で特にお値打ちだ。プロセッサーが比較的高速で、スクリーンも余裕のある10.2インチ、そして豊富なアプリを利用できる。2022年モデルのiPad Airは、599ドル(9万2800円)になるが、Macと同じM1チップを採用しているので、より高い性能を必要としつつiPad Proまでは手を出せないという方にちょうどいい。ゲームやエンターテインメント、ちょっとした仕事にも使える汎用のタブレットを探しているAndroidファンには、749ドル(約11万7000円)の「Galaxy Tab S8+」が歓迎されるだろう。ポータブルな「Windows」マシンが必要なら、新しい「Surface Pro 9」も有力な候補だ。

タブレットにはおそらく変革が必要

 スマートフォンとノートPCは、何らかの点で常に必需品であり、それぞれの役割もはっきりしている。ノートPCは仕事や学業向けであり、スマートフォンは基本的にそれ以外のあらゆることに欠かせない。では、タブレットはどうか。スマートフォンとノートPCの間のギャップを埋めることを意図されているが、そのギャップが常に変化しているように思える。

 そして、変化こそ、今のタブレット業界に必要なことなのかもしれない。IDCが9月に発表したレポートで、タブレットの全世界出荷台数は2022年に6.8%落ち込むと予測されている。ただし、その原因は、タブレット自体の問題ではなく、インフレと、過去2年間はコロナ禍にあったためにタブレットの販売が伸びていたことにある。

 最終的に、タブレットメーカー各社がさまざまなアプローチを試みているという事実は、長期的に見て望ましい状況だ。こうした変化や試みがあるということは、たいていその後に良いことが控えているものだからだ。とはいえ、今のところは混迷する市場を見守るしかなさそうだ。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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