2024年までにすべての新しいスマートフォンに対して共通のUSB Type-C(USB-C)充電ケーブルに対応することを義務付ける、欧州連合(EU)の新しい規則に従うため、Appleは「iPhone」の充電端子を変更する予定だ。同社幹部が米国時間10月25日に明らかにした。
カリフォルニア州ラグナビーチで開催されたThe Wall Street Journal(WSJ)の「WSJ Tech Live」カンファレンスで、25日に登壇したAppleの2人の上級幹部は、新しい規則を歓迎してはいないことを示唆した。同社は当初、一端がUSB-Cケーブルに、もう一端が同社独自の「Lightning」ケーブルに接続するコードをiPhoneに同梱したことで、EU規制当局と折り合えたと考えていた。
「われわれに選択の余地はない。世界中でそうしているように(Appleは)各地の法律に従う」と、同社のワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるGreg Joswiak氏は述べた。「環境のためにも当社顧客のためにも、政府がそこまで厳しい規範を定めない方が良かったと考えている」(Joswiak氏)
同社は、「Mac」コンピューターと「iPad」タブレットに、着実にUSB-Cポートを追加してきている。iPhoneにもUSB-Cポートを搭載しようとしているとのうわさは以前からあったため、今回の発言がまったく意外というわけではない。
それでも、世界でトップクラスの時価総額を誇る同社が、今後の自社製品について、公の場で発言するのは珍しい。新しい法令が同社の事業に与える影響についてはなおさらだ。1本19ドル(日本では2780円)で販売されているLightningケーブルは、Appleに多額の利益をもたらしているわけではないが、この独自技術は、同社製品のために製造されたアクセサリーによるブランド化されたエコシステムの構築に貢献してきた。
Appleはこの20年で、最初は「iPod」用の「30ピン」コネクター、続いてiPhoneとiPad用のLightningコネクターを、スピーカーやカメラなどあらゆる種類のアクセサリーメーカーにライセンス供与してきた。
「Lightningコネクターは優れており、10億人以上の人々がこれを既に所有している」とJoswiak氏は述べた。いつUSB-CをiPhoneに搭載する予定かとの質問に同氏は、具体的な説明は避けた。「欧州の顧客のためのタイミングを決めるのは、欧州の人々だ」(Joswiak氏)
Joswiak氏と、ソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めるCraig Federighi氏は壇上で、同社事業に関するその他の質問に答えた。両氏は、Googleの「Android」端末に「iMessage」を提供する可能性を否定し、Android版に同等の労力をかけることはイノベーションの妨げになるので、できないと述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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