Appleを含むあらゆる企業が、新型コロナウイルスへの対応を加速させている。中国では武漢以外で新型コロナウイルスが収束に向かっているとして、徐々に通常通りの生活に戻りつつある。閉鎖していたApple Storeの再開や、3月中の生産ラインの回復など、Appleにとって良いニュースも見られる。
しかし世界保健機関(WHO)は、感染の中心が中国から欧州へ移ったとしている。日本国内では3月15日までに809人の感染が確認されているが、イタリアが21157人、スペインが5753人、フランスが4500人、ドイツが3795人と急拡大しており、米国でも非常事態宣言が出されている。
Appleは中国以外のApple Storeを3月27日まで閉鎖する決定をした。それに先立ち、店舗でのセミナーである「Today at Apple」セッションを中止したり、AirPodsやApple Watchなどの身につけるデバイスの試着を進めない方針などを打ち出していた。しかしこれでは対策として不十分という判断で、Apple Storeの一時閉鎖へと踏み込んだ対応を迫られた。
そうした中でもっとも大きな新型コロナウイルス対策となるのが、毎年6月に開催される開発者イベント、WWDC20のオンライン開催だ。近年はシリコンバレー最大の都市であるサンノゼのカンファレンスホールで1週間にわたって開催されるイベントで、例年1500ドルの入場券を世界中の人々が抽選で争うイベントだ。
サンノゼがあるカリフォルニア州サンタクララ郡では、濃厚接触によるクラスター発生を防ぐため、1000人以上が集まるイベントが禁止された。サンフランシスコ周辺の都市では、祖御員数を100人にまで制限する都市も出ており、大学なども一斉にオンライン授業へと移行した。
現状、6月まで新型コロナウイルスの感染拡大が続くかどうかは不透明である一方、Apple本社周辺でもWork from home(リモートワーク)が原則となり、イベントの準備にも支障が出始めていることを考えると、時間を2カ月残したタイミングで、チケットの応募や抽選を行う前にオンラインでの開催をアナウンスした。
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しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、製品の製造に遅れが生じていること、また新製品を登場させてもApple Storeの一時閉鎖や世界全体の経済活動の停滞から、どうなるかが注目されてきた。
当初、3月上旬にiPhone 9の発表にフォーカスしたイベントを行うとも見られていたが、当時はまだ中国での新型コロナウイルスの収束を見ておらず、米国に次ぐ規模のプレス枠がある中国からの取材陣をApple Parkに人を集めることが難しいこともあり、イベント開催は現実的ではなかった。
そして現在は欧州や米国での感染拡大が続いており、米国内のプレスを動かすことが難しいだろう、と予測していたが、WWDC2020を6月にオンライン開催することを決定した後、MacBook Air、iPad Pro、Mac miniが突如発表された。また次週、詳細をお伝えしたい。
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