新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で中止、延期、あるいはバーチャルイベントに切り替わったテクノロジー系カンファレンスの数は既に数え切れなくなってきた。いまや、Appleが例年6月に開催する年次開発者会議WWDCをどうするのかに注目が集まっている。
WWDCはAppleにとって非常に重要だ。ほとんどの人々は、Appleが準備中のハードウェアとソフトウェアについて垣間見せてくれる基調講演にしか興味がないだろう。だが、WWDCは基調講演だけで終わるわけではない。そこは開発者がAppleのエンジニア、開発者、幹部と5日間にわたって交流する場なのだ。
これは幾つかの理由からあまり賢明ではないと言える。
まず、世界中から約6000人の開発者を集め、約1週間サンノゼの同じ建物に収容するのはまずい考えだ。それに今の状況を考えると、参加費1599ドル(約17万円)を支払うことを開発者に納得させるのはAppleにとっても難しそうだ。
さらに、Apple自身にとっても現実的で深刻なリスクがある。
WWDCにはAppleのハードウェアとソフトウェアの提供に欠かせない従業員が多数参加する。Apppleの本社キャンパスで新型コロナウイルスのアウトブレイクが発生したら、「iOS」、「macOS」、そして「iPhone」の開発と発売スケジュールが危険にさらされる。
Appleは例年、WWDCの開催日を4月まで発表しない(2019年3月に発表したのは異例だった)。これはつまり、同社には状況を判断するための時間があり、同時にわれわれがWWDC 2020が中止になるかどうかを確実に知るまでにまだ数週間あることを意味する。だが、新型コロナウイルスの規模を考えると、Appleが世界中から何千人もの人々を集め、同社の重要な従業員の多くがいる部屋に同室させることを選ぶ可能性は低いだろう。
私の推測(推測にすぎないが)は、Appleは既にWWDC 2020の物理的な会合の中止を決定しており、第2の策を立てている最中だというものだ。この計画では、基調講演や開発者向けセッションはストリーミングで行い、仮想開発ラボも開設する可能性がある。
新型コロナウイルスは、仮想カンファレンスが増加する可能性を切り開くかもしれない。環境という観点から見て、これはまったく悪いことではない。
Appleはテクノロジーカンファレンスを再発明できるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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