本国でも新型コロナウイルスへの対応を迫られるApple--Appleニュース一気読み

 世界的な感染が拡がる新型コロナウイルス。発信源となった湖北省の武漢を除く中国での新規感染者は非常に低いレベルで推移している。しかし韓国、イラン、イタリアでの感染が拡大し、スペイン、フランス、ドイツなどの欧州諸国、そして米国での感染拡大が続いている。

 Appleはこれまで、中国国内の直営店を閉鎖する措置に加えて、組み立て工場やサプライヤーの製造能力の回復が遅く、iPhoneの製造、新製品の投入の計画にも遅れが生じている。

 Appleは中国に加え、イタリア、韓国への渡航を制限した。また3月9日から13日の1週間について、感染密度の高い地域の従業員は自宅から業務に当たってほしいとTim Cook氏は従業員にメールで促した。

 Appleによると、カリフォルニア州サンタクララバレー、エルクグローブ、シアトル、韓国、日本、イタリア、ドイツ、フランス、スイス、英国のオフィスが対象。またAppleで働く時給労働者についても、通常勤務に見合う報酬を保証する。

アップル、新型コロナの感染拡大でイタリアと韓国への渡航を制限(3/5) アップルも新型コロナ対策で世界の従業員に在宅勤務許可--クックCEOがメモ(3/9)

iPhone販売の見通しの明暗

 iPhoneは2019年通年にわたって販売台数が前年同期を下回る現象が予測されていたが、実際はそうはならなかった。iPhone 11が予想以上に販売台数を伸ばしたのだ。

 ガートナーによると、2019年第4四半期、AppleはiPhoneを6955万台出荷し、前年同期を500万台以上上回った。首位はSamsungだが、7040万台の出荷で、Appleがシェアで肉薄したことが分かる。

 iPhone 11は699ドルから販売されており、同じ全画面液晶もデルとして登場した2018年モデルのiPhone XRより50ドル安い価格が設定された。安い上にデュアルカメラが搭載され、バッテリ持続時間が延びたことで、販売が伸びたと分析できる。

 好調だった市場は中国で、第4四半期に39%増加。英国、フランス、ドイツ、ブラジル、インドなどの地域でも好調だった。しかし日本は10月1日から、キャリア契約のスマートフォンの割引幅の制限と増税で、iPhoneの売上が10%以上の大きな減少となった。

 今後の展開は難しい状況が続く。2月17日にAppleが発した利益警告では、新型コロナウイルスの影響で、中国の売上高が大きく毀損することと、生産能力の回復の遅れで世界的なiPhoneの供給不足に陥るとしている。

 工場は2月10日から稼動している、と前の利益警告でも説明していたが、実際に工場の生産能力が回復するのは3月中になる、と主力のFoxconnは指摘している。

4四半期連続で減少していた「iPhone」販売台数が増加に転じる--ガートナー(3/4) Foxconn、中国の「iPhone」組立工場は3月中に通常の生産能力に(3/4)

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