使いにくくなった「iOS」
「シンプルにするのは、複雑にするより難しいこともある。努力して思考を研ぎ澄ませないと、シンプルにはできない。だが、そこに至ることができれば何だってできるのだから、目指す価値はある」(Steve Jobs氏)
「iPhone」が10年前に発表されたときのOS(当時は「iPhone OS」という名称で、iOSという名前になるのは2010年から)はすっきりしていて、シンプルだった。数回タップするだけでどんな操作もできたし、ユーザーインターフェースは直感的で使いやすかった。
その後10年でiOSは大きく変わった。「iOS 10」は、初期のiPhone OSのルック&フィールも多少は残っているが、継ぎ足しやら詰め込みやらで、いろいろなものが増えている。そのせいで、かつてエレガントで合理的だったプラットフォームが、ごちゃごちゃして使いにくいものになってしまった。
通知パネルやポップアップでインターフェースが散らかり、よく使う機能を開くだけでも、ジェスチャを何種類も覚えなければならない。「設定」アプリは今や、「Windows」の「コントロールパネル」なみに乱雑になっている。
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