新型「iPhone」はそれほど売れなくなってきている。
そのためAppleは、四半期決算の発表において、これまで投資家に言う必要のなかった言葉を伝えるのではないかと予測されている。iPhoneは2007年に登場して世界を一変させて以来、初めて売り上げが下降に転じる見込みだ。
この売り上げ減少は、同社の動向に注目してきた人にとっては、意外なことではない。Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏とそのチームは1月、総売上高の減少を予測し、1-3月期のiPhoneの販売も初めて落ち込む可能性があると警告した。同社は第2四半期の業績を米国時間4月26日に発表する予定だ。
アナリストは、iPhoneの出荷台数が前年同期比20%減になると予測している。Morgan Stanleyによると、1-3月期のiPhoneの販売台数に対するアナリストの予測は、平均で約5100万台だという。一方、2015年第2四半期は6120万台だった。
さらに大きな懸念事項は、世界最大の公開会社であるAppleにとって、これが1年間を通して続く厳しい状況の兆候なのかどうかということだ。Appleを追うアナリストは、まさしくそうだろうと予測しており、2015年モデルの「iPhone 6s」に対する冷めた反応を引き合いに出した。
「iPhone 6sでフォームファクタが代わり映えしなかったことや、世界のスマートフォン需要が軟調な傾向にあることを考えれば、2016年(会計年度)の残りの期間において、iPhoneの売り上げは前年割れになるだろう」。Canaccord GenuityのアナリストであるT. Michael Walkley氏はこのように語っている。
Appleから、決算発表に先立ってコメントは出されなかった。
そう考えるのはWalkley氏だけではない。Thomson Reutersの調査に回答したアナリストの大半が、iPhoneの販売数減少に伴いAppleの売上高が約3%減少すると見込んでいる。その理由は簡単で、Appleの売り上げの3分の2は、iPhoneによるものだからだ。ある四半期にiPhoneの販売が振るわなければ、その四半期全体の業績が不振に陥る。
第2四半期の売上高は約10%減の520億ドルとなり、4-6月期は約4%減の474億ドルになると見られている。
2016年の始まりは、多くのテクノロジ企業にとって厳しいものとなった。世界最大のコンピュータおよびサーバ向けチップメーカーであるIntelは、PC販売の急落に対処するために、従業員の11%を削減しているところだ。IBMは、四半期の売り上げが過去14年間で最低の水準であると報告している。Netflixは、海外事業でも米国内事業でも、加入者の新規獲得数が少なくなっているとの懸念を表明した。Googleの親会社であるAlphabetでさえ、売り上げと利益が期待に届いていない。
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