巨大な「iPhone 6 Plus」を手に取ったときの感触をいいと思ったことは一度もない。「iPhone 6」と、その4.7インチのスクリーンは許容範囲だ。しかし、Appleの最も快適なスマートフォンは「iPhone 5」だった。前モデルよりスクリーンが若干大きく、ポケットにすっぽりと収まった。筆者はiPhone 5を「控えめなスマートフォン」と評したことを覚えている。
「iPhone SE」は昔のiPhoneのような外観だ。それをつまらないと思う人もいるかもしれない。しかし、これは他人にひけらかすスマートフォンではない。人目を避けるために使うスマートフォンだ。iPhone SEは、2015年の上位モデル「iPhone 6s」とiPhone 6s Plusでアップグレードされたスペックのほぼすべてを、旧式の「iPhone 5s」と同じボディに詰め込んだ製品であり、iPhone 5sの後継モデルとなる強力な小型スマートフォンだ。
これだけは知っておいてほしい。iPhone SEは「新しいiPhone」ではない。うわさの「iPhone 7」は、ほぼ間違いなく2016年中に登場するだろう。「SE」の意味については「Special Edition」(特別版)でも「Small Edition」(小型版)でも何でもいいが、iPhone SEは、実際には「iPhone 6s mini」にすぎない。それだけでも実際には見事な偉業であり、Appleがようやく3種類のサイズのiPhoneをすべて同様の性能にしたのは、素晴らしいことだ。小型(iPhone SE)、中型(iPhone 6s)、大型(iPhone 6s Plus)の中から好きなサイズを選べるようになった。
一見すると、価格はとても手ごろだと思える。しかし、筆者なら16Gバイトモデル(399ドル)は絶対に買わないだろう。64Gバイトモデルにする必要がある。だが、これはひどいことだ。というのも、64Gバイトモデルは100ドル割高だからだ。Appleの基準でなければ、「低価格」スマートフォンにはならないだろう。
とはいえ、2年間の「契約付きで無料」のプランを見つけるのが(不可能ではないとしても)米国では難しくなっているが、ほとんどの通信キャリアは、資格のあるユーザーに手ごろな24カ月分割払いプランを提供している。それに加えて下取りを利用すれば、iPhone SEを格安で入手できるかもしれない。結局のところ、iPhone SEはそっくりな外観の旧モデルiPhone 5sよりはるかに値ごろ感がある。ボディは同じでも、2013年のテクノロジの代わりに2015年のテクノロジが手に入るようになったからだ。
いくつかの重要な点でiPhone SEより優れているiPhone 6sは、発売から6カ月が経過している。そして、あと6カ月待てば、新しいiPhone 7と「iPhone 7 Plus」が登場して、iPhone 6sは値下げされるだろう。
一方、iPhone SEは2013年のiPhone 5sやそれ以前の小型スクリーン搭載iPhoneを今も所有し、小型モデルを好むユーザー向けだ。
その決定を下すとき、最も重要な検討事項はスクリーンだ。皆さん(や筆者)は小型スクリーンを許容できるだろうか。既に小型スクリーン搭載スマートフォンを所有していて、それより大きなスマートフォンはいらない、という人もいるかもしれない。筆者はクパチーノとニュージャージー、マンハッタンでiPhone SEとともに数日間過ごし、昔のように小型サイズに慣れようとしてみた。しかし、iPhone SEは筆者のようなユーザー向けではないのかもしれない、と気づいた。大型のiPhone 6sをそもそも欲しいと思わなかった人に向いているモデルだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」