アジア現地駐在員マーケティングレポート

国内“だけ”の盛り上がり--シンガポールのショッピング事情から学ぶこと - (page 3)

島田裕一(アウングローバルマーケティング)2015年07月22日 08時00分

GSSの今後

 観光振興という点でシンガポールの経済発展に貢献してきたGSSですが、近年その効果は低下傾向にあります。Singapore business reviewによれば、一部の商品カテゴリ((時計&ジュエリーカテゴリ)においては、2014年のGSS期間の販売総額は、2013年のそれと比較して7%の減少というデータも出ています。

 そういった背景の中で、GSSの効果を再び高めるために注目したいポイントの1つが、先ほどのオンラインショッピングです。

 オンラインセールスという分野においては、人民網によれば中国における2013年の市場規模が約32兆円であるのに対し、Tech in Asiaによればシンガポールは約2000億円と、シンガポールは決して大きな市場であるとは言えません。しかし、国土の狭さゆえに物流と配達に関する問題は少なく、何より人口の75%がインターネットユーザーであると言われているため、オンラインショッピングでのGSSがより普及すれば、売上増加が期待できるかもしれません。

 ただし、当然ながらそれはあくまで国内向けであり、外国人がGSSにより、ECで国際配送にてシンガポールから購入することはなさそうです。

 恐らくシンガポール政府観光局としては、GSSは本質的には観光客を集めるために始めたものであり、GSS自体を続けるためのGSSではない、と考えていると見受けられます。物価高とシンガポールドル高によってGSS自体の魅力が下がってきた場合、今後は民間の自主性に任せ、違う施策にリソースを割く可能性が高いと考えられます。


セール中の商業施設

日本が見習う点も多い

 日本が見習えるのは、観光客誘致という観点で、政府あるいは自治体主導で期間と地域を決め、外国人観光客の増加と1人あたり消費額の増加を促進するという点です。そのためには「観光で日本に訪れたらたまたまセールだった」というのではなく、「セールのためにさまざまな海外旅行の候補地の中から日本に行こう」となるように、施策の発信力の強化が必要だと思います。

 シンガポール政府がGSSをどのように深化させていくのか、そして日本が観光立国に向けてどの点を参照していくのか、とても興味深いところです。


買い物をする人々

【現地の小ネタ】ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ

 最近、シンガポールで自然に触れ合うことのできるスポットを探しています。シンガポールは都会のイメージが強いですが、自然を感じられる場所にすぐに訪れることができるのも魅力の1つです。

 その中でもお気に入りはガーデンズ・バイ・ザ・ベイです。ドームに入るには入場料がかかりますが、敷地内に入るだけであれば無料です。そして敷地内をぶらぶらするだけでも、街中の喧騒から離れ、豊かな自然に癒されます。忙しい平日が終わり、リラックスしたい週末にピッタリです。


ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ

島田裕一(しまだ ゆういち)

アウングローバルマーケティング マネージングダイレクター

2006年アウンコンサルティング入社。

検索エンジンマーケティング(SEM)における新規顧客開拓を担ったのち、SEMコンサルタントとして大手プロバイダや不動産などを中心に企業のマーケティング支援に従事。

その後、沖縄支店およびアウンタイラボラトリーズのヘッドマネージャーとして、現地法人運営と現地スタッフの育成、売上拡大における販売戦略の立案と実行を行う。

現在は海外拠点、アウングローバルマーケティング(シンガポール)とアウン香港マーケティングのマネージングダイレクターを兼任し、幅広い業種・業態のSEMを含む、グローバルマーケティング活動の支援を行う。


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