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国内“だけ”の盛り上がり--シンガポールのショッピング事情から学ぶこと

島田裕一(アウングローバルマーケティング)2015年07月22日 08時00分
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 この連載では、アウンコンサルティングの現地駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを隔週でお届けします。今回はシンガポールから、現地のショッピング事情についてお伝えします。

ショッピング好きのシンガポーリアン

 シンガポールの中心地であり、旅行者にもショッピングエリアとして有名なオーチャードというエリアには、数多くの商業施設がところ狭しと立ち並びます。休日ともなると、このエリアは買い物客でいっぱいです。


買い物風景

 国土面積が東京23区とほぼ同じ広さしかないシンガポールには、日本と比べても日常の娯楽の数はそう多くありません。ただ、シンガポーリアンの生活水準自体は高く、一人あたりGDPは日本を上回っています。1965年の独立以降、シンガポーリアンは多くの困難を乗り越え、悔しさをバネに、驚くべき経済発展を遂げた結果、蓄えた富をショッピングをすることで噛みしめようとしているようにも見えます。

  • 「BUY2 Get1 FREE」

 シンガポーリアンの購買意欲に関する傾向としては、「お得感」を重要視しているようです。街を歩いていると、「BUY 2 GET 1 FREE」という看板をよく見かけます。「2つ買うと、もう1つを無料でプレゼント」という意味です。

 シンガポーリアンのお得感重視の傾向は、国民性とも言われている、キアス(KIASU)という気質が根底にあるからだと言われています。キアスという言葉は福建語からきており、「負けたり損をしたりすることを恐れる」という意味です。シンガポールは国家の発展のための人材育成に力を注いできた苛烈な競争社会であり、その中で生き延びるために必然的に身についたと思われる気質です。

 確かに、話題の飲食店の前には驚くほどの長蛇の列があったり、食べ放題ビュッフェでお皿にてんこ盛りしている人をよく見かけたりします。日本人である当社女性社員も、化粧品売り場で一緒になった女性が、店員にものすごい量の試供品を催促しているのを目の当たりにしたことがあるとのことです。このような日常の光景も、上述のような歴史的背景との関連性を考えると、より興味深く感じます。

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