この連載では、アウンコンサルティングの現地駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを隔週でお届けします。今回はタイから、現地のネットスーパーの現状をお伝えします。
梅雨に入り、日本は雨が多くなってきたのではないでしょうか。バンコクではここ3年ほど大きな洪水はありませんが、相変わらずスコールは続いています。
タイでは雨が1日中振り続けることはなく、ほとんどが30分ほどの集中豪雨のため、雨が降るとタイの人々はどこかに避難してただひたすら止むのを待ちます。そのため、屋根のある場所はいつもぎゅうぎゅうになっています。
「雨の日は自宅からピザでも……」ということで、今回はバンコクでも発達しつつある、自宅で物が頼めるネットスーパーの話を少し。
もともと自炊習慣のなかったタイでは、今でも自宅に台所がない家庭も多く、屋台で食事を買う人がたくさんいます。そのため、食事を自宅に届けてもらう「デリバリー」も昔から存在しています。
配送方法は非常にローテクで、屋台側がバイクタクシーに商品を預けて注文者の自宅に配送してもらい、配送代をバイクタクシー運転手に支払うことで成立してきました。「◯◯さんの家に持っていってー」と言った形です。
そんな中、この数年出始めてきたのが大手を中心とした「ネットスーパー」。 2012年、セントラルの「Tops」がサービスを開始。続いて「Big C」、その後、英国系の「Tesco Lotus」が本格的なネット販売を開始しています。
Big Cは買った商品が電線の上を通り、人の家まで運ばれていくユニークなテレビCMでネットスーパーそのものの認知に一役買っています。一方Lotusは、テレビCMに加えてFacebookに力を入れており、143万人の“いいね!”を獲得しています。投稿内容は商品のお得情報がほとんどで、直接購入を促す投稿設計です。
Big Cは5年前に、フランスのスーパーマーケットチェーンである「カルフール」のタイ事業を買収したことで、タイにおける店舗数はナンバーワンとなりました。また、配送エリアや価格面からタイでの認知は非常に強いのが現状であり、月間PV数やアプリのダウンロード数で見るとBig Cは圧勝となります。
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