アップルが「Vision Pro」を本気で刷新します--4割軽いVision Air、スマートグラスも【噂】

Imad Khan (CNET News) 翻訳校正: 編集部2025年07月01日 06時47分

 年内には、M5チップを搭載したVision Proが登場する可能性もある──。

 Appleは2027年、ヘッドマウント型のAR・VR製品を複数発売する計画だ。また、それに先駆けて2025年内に現行「Vision Pro」のアップグレード版も投入するという。TF International証券の著名アナリスト、ミンチー・クオ氏がレポートで明かした。

 クオ氏によれば、「Vision」シリーズは現在3モデル、スマートグラスは4モデルが開発中とされている。なかでもRay-Ban Meta風のスマートグラスは、2027年に300万〜500万台の出荷が見込まれている。Appleは同年、AR/VR製品全体で1000万台以上を出荷する計画だという。こうした動きから、同社がこの分野を次なる主要コンシューマーテクノロジーとして本気で育てようとしている姿勢がうかがえる。

 まず、2027年に先駆け、2025年内には従来のM2チップから進化した「M5チップ」を搭載する新型「Vision Pro M5」が市場に登場する。

 さらに2027年には、従来よりも40%軽量化され、最新のiPhone用プロセッサを搭載した新製品「Vision Air」が投入される見込みだ。翌2028年には、まったく新しいデザインをまとった第2世代の「Vision Pro」が登場し、大幅に軽量化され、価格もより抑えられると予測されている。

 一方、スマートグラス分野では、2027年にディスプレイを搭載しない(つまりRay-Banスマートグラスのような)軽量フレーム型の一般向けモデルが登場するほか、2028年には透過型のカラー表示とAI連携機能を備えた「XRグラス」が発売される見通しだ。こちらは、より高度な体験を求めるユーザー層をターゲットにしている。

 なお、この件に関するコメントをAppleに求めたが、現時点では回答を得られていない。

活気づくスマートグラス市場、競争は激化へ

 市場調査企業のGrand View Researchによると、世界のスマートグラス市場規模は2024年時点で19億3000万ドル(約2700億円)に達し、2030年までには82億6000万ドル(約1兆2000億円)に拡大する見通しだ。こうした成長を見込んで、ビッグテック各社は次世代のウェアラブルデバイス開発競争に続々と参入している。

 MetaはすでにRay-BanおよびOakleyブランドのスマートグラスを展開中で、最近では透明なレンズ上に直接情報を映し出すことが可能な「Orion」のプロトタイプも公開している。

 Googleもまた今年、新たなAR・VRプラットフォーム「Android XR」を発表し、クアルコムおよびサムスンとの共同開発によるスマートグラスを披露した。半導体大手Nvidiaも、スマートグラスのユーザー体験を高めるためのAI技術の開発を積極的に推進している。

 こうした競争のなかで最も大きなチャンスを手にする可能性があるのはMetaだ。自社でスマートフォンやOSを持たないMetaは、AppleやMicrosoft、Googleなど他社のプラットフォームに依存しており、これら企業が方針を変更すると影響を大きく受ける立場にある。しかし、AR・VR領域で確かなポジションを築けば、スマートグラス市場でハードウェアとソフトウェアの両方を自社で掌握できる可能性があるのだ。

 しかし、Appleが持つ絶大なブランド力とユーザーからの根強い支持は、Metaにとって決して無視できない脅威となる。現時点でMetaの「Ray-Ban Meta」グラスは200万台の販売実績を持ち、VRヘッドセット「Quest」シリーズは累計で2000万台以上が出荷されているが、Appleの本格参入によって市場の勢力図が大きく塗り替えられる可能性がある。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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