任天堂「スイッチ2」を2週間遊んで徹底レビュー:最高の携帯ゲーム機だが待つのも一手

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2025年07月02日 07時30分

 任天堂の最新ゲーム機「Nintendo Switch 2」は、なじみのある姿をした未来であり、さらなる可能性への入口でもある。しかし、その体験はまだ発展途上であり、慌てて飛びつく必要はないのかもしれない。

  1. 欠点を補って余りあるゲーム機
  2. Steam Deckを凌駕するグラフィック
  3. 上質なSwtich 2のハードウェア
  4. スクリーンの品質は十分だが、改善の余地はあり
  5. ゲームチャットとおすそ分け通信:プレイ方法の進化は変革を意味する
  6. ゲームは面白いが、もっと数が必要
  7. 問題はバッテリー持続時間
  8. ストレージ容量も問題
  9. Switch所有者でもSwitch 2は買いなのか
  10. Steam DeckよりもSwitch 2を選ぶべきか
  11. 未来を身近に感じられるゲーム機

欠点を補って余りあるゲーム機

 それはニューアークからサンフランシスコへ向かうフライトの中程まで来た頃だった。筆者はエコノミーシートに体を落ち着け、「Nintendo Switch 2」でファーストクラスのゲーム体験を楽しんでおり、絶妙な角度に調整した7.9インチの大画面と、優れた振動機能を持つ新型コントローラで「マリオカート ワールド」の広大なコースを走っていた。Switch 2は確かに素晴らしいゲーム機だった。1時間半プレイしただけでバッテリーが心許なくなってしまったことを除けばだが。

 Switch 2は、「Steam Deck」や間もなく発売される「ROG Xbox Ally」などの大型で強力なライバルがひしめく携帯ゲーム機市場の頂点に君臨していると言ってもいいが、欠点もいくつかある。初代Nintendo Switchの登場から8年後に発売されたSwitch 2が、新たな発明ではなく、先代の改良版であることは明らかだ。

 今回の任天堂はサプライズを用意していなかった。Switch 2は、ようやくグラフィック能力がアップグレードされ、設計面でも数多くの改善を施されたSwitchだと考えていいだろう。筆者は2週間ほどこのゲーム機をプレイして、ようやくレビュー記事を書く準備が整った。Switch 2は強力なグラフィックス性能を持っており、多くの可能性を秘めている。そのハードウェアは、さまざまな意味で筆者が2021年に有機ELモデルのSwitchをレビューしたときに夢見たものに近い。ただし、現状ではいくつかの欠点を抱えているため、もっとゲームが増えるまで、あるいは改良モデルのSwitch 2が発売されるまで買い控える人がいても不思議ではないだろう。

 時間を2011年に巻き戻してみよう。当時の認識としては、「ニンテンドーDS」はゲーム史上指折りの成功を収めた携帯ゲーム機で、その後継モデルである「ニンテンドー3DS」はさらに有望に見えた。後方互換性を備え、グラフィックスも向上しており、アナログスティックが追加され、専用の眼鏡が不要な3Dディスプレイを持っているという充実したスペックぶりだったからだ。例外は、バッテリーの持続時間が短くなっていたことだ。3DSのバッテリー持続時間は、数年後に発売されたモデルが登場するまでDSに及ばなかった。

 Switch 2でも似たようなことが起こっている。グラフィックスが向上し、ハードウェアにもさまざまな改善が施されたが、その分バッテリー持続時間が犠牲になっている。プレイできるのは2時間か、長くても3時間までだ。また、ゲームを格納する内蔵ストレージはすぐにいっぱいになってしまい、値段の高いmicroSD Expressカードを購入することを迫られる人もたくさんいるだろう。

 しかし、Switch 2はそれらの欠点を補って余りあるゲーム機のように見える。グラフィックスや3つのモードを切り替えての遊び方が改善されたSwitch 2は、他のゲーム機が次の進化で目指すべき最先端の形に見えるし、「Windows」を搭載した携帯ゲーム機や「Steam Deck」よりも明らかに一歩進んでいる。またこのハードウェアは、現行のPC、「PlayStation」、「Xbox」で提供されているゲームに対応できる性能を持っており、今後数年で多くのゲームが移植されるだろう。筆者は、Switch 2が持っている、ゲームを楽しむため、友人とつながるための潜在能力を高く評価している。1年後には、ゲームの数も、遊んでいる人の数も大きく増え、アドバンテージがさらに大きくなっているはずだ。

 米CNETは、6月26日にSwitch 2に対して「Editors' Choice」賞を授与したが、その主な理由は、他の携帯ゲーム機に対する総合的な優位性と、あらゆる要素が揃っているにもかかわらず、コストパフォーマンスが高いことだった。その上、Switch 2は今後数年でさらに良くなっていくだろう。

Steam Deckを凌駕するグラフィック

 筆者は、Switch 2のグラフィックがValveの携帯ゲーム機であるSteam Deckを上回っているように見えることに驚いた。正直なところ、これまで任天堂のハードウェアが最先端を走っているように見えることはあまりなかった。しかし、今回は違う。

 Switch 2は、PlayStation 5(PS5)やXbox Series Xなどの大型の据え置きゲーム機には及ばないまでも、携帯ゲーム機としては現時点で最高のグラフィックス性能を持っている。グラフィックス用にNVIDIAの新型カスタムプロセッサーを搭載しており、Steam Deckでもプレイ可能なゲームの移植版を見る限り、グラフィックスでは上回っている。断言するにはもっと他のゲームでも直接的な比較を行う必要があるが、任天堂が自社タイトルの最適化で素晴らしい腕前を見せているのと同じように、これまでのサードパーティーのゲームもしっかりハードウェアに最適化されている。しかし、筆者は他のゲームも見てみたい。1080pの携帯型ディスプレイと、ドッキングした際に最大4K/120fpsでゲームを実行できる安定した性能には非常に感心させられた。確かにSwitch 2には限界があるが、TVモードでゲーム機として比較すれば、明らかにSteam Deckよりも優れている。

 現時点ではSwitch 2専用のゲームが20本ほどと、Switch 2向けに解像度やグラフィックス、フレームレートなどを改善した少数のSwitch用タイトルがあるだけだ。筆者は、プレイすればするほどその結果に感心した。「スプラトゥーン3」は鮮明なグラフィックで滑らかに動作するようになったし、ゼルダシリーズの2本は、どちらもまったくフレームレートの低下が発生しなくなった。これこそ、筆者が携帯ゲーム機でプレイしたかった「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」であり、プレイフィールは抜群だ。

上質なSwtich 2のハードウェア

 薄く丈夫になったスタンドから始まり、大型な画面、ハプティクスが格段に向上し、より頑丈になった「Joy-Con」、マグネットを使った取り付け方法まで、筆者はSwitch 2のあらゆるデザインを気に入っている。大きなサプライズこそなかったが、Switch 2はより成熟した、洗練された製品になったように見える。有機ELモデルのSwitchを見たときには新型の投入が遅すぎると感じたが、Switch 2では、そこで見られた改善点をさらに大きく飛躍させた。

 マウスモードもお気に入りだ。最初は戸惑ったし、2つのJoy-Conの光学マウス機能を両方とも使うゲームはあまりないが、マウス操作は非常にうまく機能する。光学センサーを使った仕組みは、テーブルやソファの肘掛け、自分の太ももなど、自分が試してみたどんな平面上でも確実に動作した。

 今のところ、マウス機能は主に「Nintendo Switch 2のひみつ展」で使われている。これは本体と同時発売された10ドル(日本の希望小売価格は税込990円)のソフトで、ハードウェアの機能を紹介するインタラクティブなチュートリアル兼ミニゲームコレクションであり、本来はSwitch 2に無料で同梱されてしかるべきソフトだ(実際には別売りになっている)。「Drag x Drive」や「メトロイドプライム4 ビヨンド」などの間もなく発売される他のゲームでもマウスモードが使われる予定になっている。マウス機能は筆者が当初考えていたよりもずっと使いやすいため、ぜひ他のタイトルにも採用してほしい。

スクリーンの品質は十分だが、改善の余地はあり

 数週間プレイしてみた感想としては、7.9インチの1080pディスプレイは確かに良質なのだが、いつかは有機ELディスプレイ版が欲しいと感じた。HDR対応、高リフレッシュレート、高解像度の広い表示領域という点では過去のSwitchを上回っているが、有機ELディスプレイが持つコントラストの高さや鮮やかさが欠けているため、HDRの効果も今ひとつ目立たない。ベゼルの幅も、筆者が期待していたより太かった。画面はもう少し大きくてもよかったし、Switch 2の本体ももっと小さくてもよかった。しかし、ValveのSteam Deckと比べればずっとコンパクトだし、新しい印象を受ける。

ゲームチャットとおすそ分け通信:プレイ方法の進化は変革を意味する

 筆者は、このゲーム機がなぜ「Switch」と名付けられたのかについて以前から考えていた。Switchが他のゲーム機と大きく違っているのは、取り外し可能なJoy-Conを生かして、テーブルモード、携帯モード、TVモードと形を変えるところだ。これは、Switch 2はこの点でSteam Deckなどの他の携帯ゲーム機よりも大きく優れているが、まったく新たな方向への可能性も秘めている。

 Switch 2には、音声とビデオを使ったチャット機能である「ゲームチャット」が内蔵されており、これを使えば、簡単にフレンドとゲームを始めることができる。職場の友人と試してみたところ、この機能にはまったく問題がなさそうだったが、筆者自身はあまり使わないかもしれないとも感じた。右のJoy-ConのCボタンを押すとゲームチャットが起動し、Switchのフレンドリストからフレンドをチャットに追加すれば、一緒にゲームを始められる。

 Switch 2にはノイズキャンセル機能が付いたマイクが内蔵されており、自分のゲーム機から出る音や部屋のノイズをかなりうまくカットしてくれるが、フレンドの音質には当たり外れがあった。内蔵のチャットプラットフォームとしては、Switchの電話アプリベースのチャットよりもずっと優れている。音声だけの場合は最大12人まで、USBカメラを接続して、自分の顔と音声、プレイ中のゲームの映像を共有する場合は4人まで通話できる。

 ゲームチャットのビデオ品質には状況によってかなりの差があり、多くの場合、ノートパソコンの内蔵カメラを使った通話よりフレームレートも解像度もかなり低いが、臨場感やつながりを感じるには十分だ。また、ゲームチャットを使用しても、ゲームのパフォーマンスが落ちることはなかった。

 一方の「おすそ分け通信」は、1本のゲームを1台のゲーム機で実行し、それを別のSwitchと共有してプレイする仕組みで、まだこの機能に対応しているタイトルは一握りしかない。これはかなり有望なアイデアだろう。なぜなら、ローカルストリーミングを使用して、Switch 2を持っていない家族と、初代Switchの画面を使って一緒にゲームを遊べる可能性があるからだ。「ドンキーコング バナンザ」はこの機能に対応しているが、「マリオカート ワールド」は対応していない。もしSwitch 2がこれを拡大できるなら魅力的だろうし、スマートフォンやタブレットの画面にまで拡大できる可能性もあるが、この機能が今後、いつどんな風に活用されていくかはまだ明らかになっていない。

 任天堂は今回、接続されたカメラについてもさまざまな楽しい使い方を提示しているのだが、現時点ではちょっとしたギミック以上のものにはなっていない。USBカメラをSwitch 2に接続すれば、ゲームチャットで顔を共有したり、カメラ対応のゲームに自分の顔をオーバーレイ表示したりすることができる。「マリオカート ワールド」はこの機能に対応しているし、「スーパー マリオパーティ ジャンボリー」には、カメラを接続している場合専用のまったく新しいミニゲームが用意されている。任天堂は専用の広角カメラを販売しており(55ドル、日本の希望小売価格は税込5980円)、それを買って接続することもできるが、サードパーティーのUSBカメラも接続できる(製品が対応していない場合があり、動作確認が必要)。

 これらの要素や、新しいマウスモードを見ると、ゲームはこれらのツールをどんな風に使えるのだろうと考えてしまう。「Jackbox」のような大人数が参加するパーティゲームもできるかもしれない。Switch 2の哲学やデザインには柔軟性が感じられるが、まだこれらのアイデアは、それを本当に生かしたゲームの形にはなっていない。

 任天堂のおすそわけ通信には、「バーチャルゲームカード」という奇妙な仕組みが関わっている。これは、ダウンロードソフトを家族に2週間貸し出したり、同じニンテンドーアカウントを持つ2台のSwitch間で使用権を移したりすることができるメカニズムだ。ゲームを貸し出せる機能はありがたいのだが、以前は同じWi-Fi環境にある複数のSwitchでは、同一アカウントでゲームをプレイすることができた。しかし、その機能は廃止されてしまった。筆者は今でも、家族全員で無制限にゲームを自由に共有できるようにしてほしいと思っているのだが、この機能はその方向への第一歩ではある。

ゲームは面白いが、もっと数が必要

 筆者はSwitch 2の本体と同時発売された専用ソフトであるマリオカート ワールドが大好きだ。24人でのマルチプレイはカオスそのものだが、負け抜け方式の「ノックアウトツアー」のような長時間のラリーモードを特別なものに感じさせるのに重要な役割を果たしている。マリオカート ワールドのオープンワールドマップには、期待していたほどの秘密はなかったが(任天堂が今後に向けて何かを用意している可能性はある)、複数のコースを含むレースでは、コースからコースへの移動もチャレンジの一部になったことで、バラエティが増し、いい意味で予想を裏切っている。

 とは言え、今でも初代Switchでプレイする「マリオカート8デラックス」は十分に楽しいはずだ。マリオカート ワールドはまだあまりコースが多くないのだが、任天堂の今後の計画がどうなっているかは分からない。

 筆者は、「龍が如く0」や「サイバーパンク2077」、「スプリット・フィクション」、「ストリートファイター6」などの、他のゲーム機やPC向けに発売されたゲームの移植タイトルもいくつかプレイしてみた。そのグラフィックや、解像度や、フレームレートはSwitchよりも大幅に改善しており、正直驚かされた。それらの多くは、Steam Deckでプレイした場合のパフォーマンスを凌駕しているように見えた。ただし、TVモードでの性能は、PS5やXbox Series Xよりも一段劣っており、十分に楽しく遊べるだろうが、差があることは明らかだ。それでもSwitch 2は、多くのゲームで他の据え置きゲーム機に近い体験を提供できることを示した。

 「Switch 2のひみつ展」は、Switch 2のハードウェアの特長を紹介するインタラクティブな舞台裏紹介ガイドのようなゲームで、このゲーム機特有の普通ではない可能性を垣間見ることができる。このゲームは10ドルではなく無料であるべきだったと思うが、筆者がこれまでにプレイした4時間強を十分に楽しんだことも事実だ。また現時点では、マウスの機能を意味のある形で体験できるのはこのソフトしかない。筆者は、このゲームのような実験的で低コストの小規模な任天堂タイトルがもっとほしいと思っている。Drag x Driveはそんなタイトルの1つだ。筆者は、4月に行われたメディア向けのプレビューイベントでこのタイトルをプレイした。

 筆者が一番ワクワクしているのは、これから出てくる一連のタイトルだ。次の独占タイトルであるドンキーコング バナンザは、3Dマリオに似たアドベンチャーゲームになると言われている。また、Switch版も発売される「メトロイドプライム4 ビヨンド」は、Switch 2のグラフィックス性能を見せつけるタイトルになりそうだ。新作の「Pokemon Legends Z-A」も、Switch 2の魅力を伝えるタイトルの1つになる可能性がある。

 しかし任天堂がSwitch 2を「絶対にほしいゲーム機」の位置にまで引き上げるには、ゼルダやマリオの新作や、これらのタイトル越える新しいアイデアが必要だろう。その一方で筆者は、すでに所有しているたくさんのSwitch用タイトルを、Switch 2の優れたハードウェアでもう一度プレイしたいとも思っている。現時点でのSwitch 2は、今後にも期待が持てる、Switchの優れたアップグレードモデルだと考えた方がいい。

問題はバッテリー持続時間

 Switch 2で犠牲になった要素もあり、その中でももっとも大きいのがバッテリー持続時間だ。筆者の経験では、1回の充電で遊べたのは最大でも3時間で、これは現行のSwitchよりもかなり短く、「Steam Deck OLED」と比べても短い。

 Switch 2に対する12歳の息子の感想が問題を物語っている。彼は、古くて頑丈なSwitchと、その個性的で色がバラバラのJoy-Conの方が、一度の充電で長く遊べるから好きだと言ったのだ。バッテリー持続時間は子供にとっても重要らしい。サイズもまた然りだ。Switch 2が大きくなっているにもかかわらず、バッテリーの持ちが悪化しているのは、ファミリーユーザーにとってはミスマッチであり、購入を先延ばしする一番の理由になるだろう。もっとバッテリーが大きいモデルが発売されるか、任天堂が今後のゲームでSwitch 2のバッテリー効率を改善するのを待つ人も出てくるかもしれない。

 もちろん、Switch 2をドッキングさせた状態で使えば、バッテリーは問題にならない。すべてのゲームやテレビが対応しているわけではないが、4Kの解像度で120fpsの滑らかなゲームプレイが楽しめるTVモードは、ある意味でSwitch 2がもっとも魅力を発揮できる使い方だろう。新しいカメラ接続モードも、TVモードでのプレイを想定している(ただし、カメラを置く場所があればテーブルモードや携帯モードでも利用できる)。TVモードであれば、失われるものは何もない。

 それでも、筆者はバッテリー持続時間の改善を望みたい。充電スピードがあまり速くないのもその理由の1つだ。筆者がSwitch 2を充電するには、1時間以上かかった。当面の間は、長旅にはバッテリーパックを持っていかざるを得ないだろう。

 現時点では、このバッテリー問題は、ニンテンドー3DSで起こったような、パフォーマンス向上のための代償だと考えるしかない。

ストレージ容量も問題

 筆者はすでに、Switch 2の内蔵ストレージの小ささに不満を感じている。内蔵ストレージのサイズは256GBとSwitchの64GBよりもはるかに大きいのだが、ダウンロードゲームのサイズも膨れ上がっているからだ。サイバーパンク2077は約60GB、スプリット・フィクションは69GB。ストリートファイター6も48GBだ。サイズが小さいゲームもあるし、本体に差し込んで使うゲームカード(ゲーム本体がストレージにダウンロードされる「ゲームキーカード」ではなく)を購入すれば、ストレージ容量を節約することはできる。それでも筆者の場合は、すぐにストレージを拡張しなくてはならなくなった。ところが、Switch 2のストレージを増やすにはmicroSD Expressカードが必要であり、この新しい規格のカードは高価で、今のところ米国では入手が非常に困難なのだ。

 筆者は256GBのカードを購入したが、それもすぐにいっぱいになってしまった。しかも、初代Switchのゲームはまだあまり入れていない状態でだ。筆者はSwitchのゲームをたくさん持っているが、古いゲームの多くは10GBを越えることはない。しかし、今後のSwitch 2のゲームが、Steam DeckやWindows搭載携帯ゲーム機と同じように、ファイルサイズが巨大化していく方向に進むのであれば、数本以上のゲームを管理するのは大変だろう。1年もすれば、microSD Expressカードももっと潤沢に出回るだろうが、現時点ではこれがボトルネックになっている。

Switch所有者でもSwitch 2は買いなのか

 まだSwitchを持っていないのであれば、スタート地点としてSwitch 2を買うのは理に適っている。ようやくハードウェアが将来も安心なレベルにアップグレードされ、ほとんどのSwitch用ゲームはSwitch 2でもプレイできる。その多くがAIでアップスケールされたグラフィックでプレイ可能で、Switch 2向けに改善されたものもある。その中には、無料で提供されているものと、追加費用がかかるものがある。

 しかし、すでにSwitchを持っているのであれば、判断は難しい。ゲームの素晴らしさを考えれば後悔はしないだろうし、新しいハードウェアが優れていることも確かだ。しかし、サイズが大きく、バッテリー持続時間が短くなっているという欠点もある。筆者の息子は、もうしばらく待ってもいいと言っている。

 Switch 2のゲームや機能が充実し、Switchを持っている人でも絶対に損をしないゲーム機になるまでには、まだ1年はかかるだろう。あるいは、もっと長く。任天堂は携帯ゲーム機を2年ごとにアップグレードすることが多く、2027年には新型のSwitch 2が登場する可能性もある。どうなるかは誰にも分からない。今のところ、Switch 2は今後も好調を維持するだろうし、ほとんどの点でSwitchよりもずっと良くなっているが、新しいゲームや、ゲーム機本体、新しい周辺機器にかかる費用はかなりの額になる可能性があることだけは知っておいてほしい。

Steam DeckよりもSwitch 2を選ぶべきか

 Steam DeckとSwitch 2はまったく違うものではあるが、共通点も多い。筆者はSteam Deck OLEDのバッテリーの持ちを好ましく思っているし、コントローラーにトラックパッドやトリガーがある点や、OSのカスタマイズ性が高いため、その気になれば他のアプリも使える点でも優秀だ。それに加えて、SteamにはSwitchなどの他の携帯ゲーム機には及びも付かないほど多くのゲームがあり、PCゲーマーであれば、手持ちのゲームをプレイできるという利点もある。

 一方で、Switch 2のハードウェアの魅力はSteam Deckを凌駕している。よりスリムで解像度の高いディスプレイを持ち、120Hzの4K映像をテレビに出力でき、ドックが付属しており、マウスにもなる取り外し可能なコントローラーを備えている。任天堂は相変わらず自社のゲームをハードウェアに最適化するのが得意であり、それは今後も続くだろう。両者の性能はかなり近く、Steam Deckに最適化されたゲームの多くは、いずれSwitch 2でもリリースされる可能性が高い。またSwitchと同じように、Switch 2もインディーズゲームを幅広い携帯ゲーム機ユーザーに売り込むためのよいプラットフォームになるだろう。

 今のところ、筆者はSteam DeckよりもSwitch 2の方が少しだけ気に入っているが、もっと高性能なWindows搭載携帯ゲーム機が増えれば、議論はさらに難しくなるはずだ。

未来を身近に感じられるゲーム機

 筆者は、Switch 2は向こう数年で大きな変化を遂げるはずだと考えている。それは、すでに発表されている機能によるものかもしれないし、他の要因かもしれない。革新的なゲームが登場するかもしれないし、もしかしたら、任天堂ならではの誰も予想できないような奇抜な手段が登場するかもしれない。

 Switch 2はすでに、初代Switchにも、現在のWindows搭載携帯ゲーム機やSteam Deckにもできなかった、非常に有益な何かの基盤を築きつつある。

 確かに今はまだ、あらゆる点で改善され、より高価になったSwitchにすぎない。しかしそれは、バッテリーの持続時間やストレージ不足の問題を考慮しても、Switch 2の購入に踏み切るべき十分な理由にもなる。今はまだ完璧なSwitch 2だとは言えないが、これまでのどのSwitchよりも優れたSwitchだからだ。そして筆者にとっては、他のどの携帯ゲーム機よりも好きなゲーム機だ。

 今回のアップグレードは見送って、任天堂の将来計画が明らかになるのを待つのも合理的だし、むしろ、それを勧めたい。しかし、いずれはぜひ買ってほしい。私は、ゲームチャットを楽しめる仲間をもっと増やしたいのだ。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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