調査企業Kantar Worldpanel ComTechによると、「iPhone 5c」ユーザーのほぼ半数は、サムスンやLGといった競合するスマートフォンメーカーから乗り換えたユーザーであるという。
多くのAppleアナリストやウォッチャーは、同社が真の世界向け低価格版「iPhone」を発売すると予測していた。しかし、契約付きで99ドルから、契約なしの場合は549ドルという価格にもかかわらず、iPhone 5cはこれまでよりも幅広い層のユーザーをAppleにもたらしていることが、Kantarが米国時間12月2日に公開したスマートフォン販売データによって明らかになった。これまでよりも多くの新規顧客が初めてAppleブランドを手にしており、それによって他社のスマートフォンからの顧客流出が増加しているという。
Kantar Worldpanel ComTechの戦略インサイトディレクターを務めるDominic Sunnebo氏は声明で、「Appleにとってうれしいことに、これまでよりも幅広い層に訴求したことで、競合他社からの乗り換えが非常に増えている」と述べた。「『iPhone 5s』所有者の80%がiPhone前機種からのアップグレードであるのに対し、iPhone 5c所有者のほぼ半数が、特にサムスンやLGといった競合ブランドから乗り換えたユーザーである」(Sunnebo氏)
Sunnebo氏によると、iPhone 5cの購入者は、iPhone 5sを選択するユーザーよりも所得が低く、やや年齢が高い傾向にあるという。iPhone 5s所有者で所得が4万9000ドル未満の人の割合はわずか21%であるのに対し、iPhone 5c所有者ではその割合が約42%で、iPhone 5s所有者の平均年齢が34歳であるのに対し、iPhone 5cは38歳であるという。
iPhone 5sとiPhone 5cはともに、Appleの世界中の市場シェア拡大につながっているが、その効果は「iPhone 5」ほどではないとKantarは述べている。
「ほとんどすべての市場において、iPhone 5sとiPhone 5cの発売によって『iOS』のシェアはその前の月と比べて大幅に増加した」とSunnebo氏は述べた。「全般的に、Appleの市場シェアはまだ、iPhone 5発売時よりも低い状態のままである。ただし、iPhone 5sやiPhone 5cのようなマイナーアップデートよりもメジャーアップデート時の方が消費者の反応は高い傾向にあるため、この状態はまったく予測されていなかったわけではない」(Sunnebo氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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