「iPhone 5c」レビュー--低価格版でも高性能、カラフルな外観

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2013年10月01日 07時30分

 「iPhone 5c」は、厳密に言えば新製品である。これはカラフルかつキュートな製品であり、最近発売されたMotorolaの「Moto X」のような交換可能で、さまざまな種類のカラーケースも用意されている。しかし、その新たなカラーのボディの中身はれっきとした「iPhone 5」であり、通信キャリアとの契約込みで99ドルという安い価格が設定されている(探し回ればもっと安いものも見つけられるはずだ)。

 ここで明確にしておきたいのだが、2012年にiPhone 5が登場した際、われわれはその製品を高く評価していた。ユーザーのあらゆるニーズを満足させ、競合製品と互角に戦い、高速なLTEや、より大きな4インチ画面、数々のチューンアップ、より高速なプロセッサ、素晴らしいと表現するしかないカメラの搭載といった、機能のスイートスポットを押さえていた。そして、これらの機能はすべてiPhone 5cにも受け継がれている。

 iPhone 5cで新たに追加されたもの(今までのiPhone 5と比較して)と言えば、プリインストールされている「iOS 7」と、米国外のより多くの通信キャリアをサポートする新たなLTEアンテナ、光量の少ないところでも撮影できる前面「FaceTime HD」カメラ、昨年のモデルよりも少しばかり容量が増えた内部バッテリ(こう書くと素晴らしく思えるが、それでも万人が満足する容量ではない)くらいのものだ。

 iPhone 5cは、単なる革新的な「値段」のiPhoneではない。また、一部の人が夢に見ていた、契約なしで簡単に手に入るプリペイド携帯でもない。これは、キャンディのような色をしたポリカーボネート製のボディを採用したiPhone 5なのだ。より高い性能を求めているのであれば、「iPhone 5s」に目を向けてほしい。また、より大きな画面を求めているのであれば、ほとんどの「Android」携帯がより有力な候補となるだろう。

 iPhone 5cの内部は去年のiPhoneとほとんど変わっていない。とは言うものの、ほとんどの人にとっては十分な性能となっている。この製品が例えば、カラーバリエーションを重視する子ども(そして100ドル未満の出費で済んでほしいと考えている両親)にとっての第1の選択肢となったとしても驚いてはいけない。これは基本的に、ベーシックなノートPCとして販売されていた白い「MacBook」のiPhone版なのだ。そして、日々の使用に関して言えば、この製品とiPhone 5sのパフォーマンスの差を肉眼で見極めるのは今のところ難しいはずだ。ただ、AppleがiPhone 5sに新搭載した最先端の64ビット「A7」プロセッサを基準としてiOSを進化させていくだろうという点を考えた場合、こういった状況は数カ月後、あるいは1年後には変わっているだろう。しかし、iPhoneの進化を追いかけていない一般の人々であれば、iPhone 5cは重要な基本機能のほとんどを網羅した「去年のiPhone 5」だと考えればよいわけだ。

モデルと通信キャリア

 iPhone 5cには16Gバイトと32Gバイトのモデルが用意されており、通信キャリアとの契約込みでそれぞれ99ドルと199ドル、契約なしでそれぞれ549ドルと649ドルとなっている。この価格は、ストレージ容量が同じモデルのiPhone 5sと比べて100ドル安い。

提供:CNET staff
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 iPhone 5cと「iPod touch」がよく似ているのはボディの色目だけではない。透明なプラスチック製の化粧ケースに入れて販売されているという点もよく似ている。この化粧ケースの中には、携帯電話本体と、Lightningケーブル(ACアダプタ付き)、マイク内蔵型ヘッドフォン「EarPods」も入っている。

iPhone 5sにあってiPhone 5cにないものは?

 「iPhone 5cとiPhone 5sの100ドルという価格差はいったいどこから来ているのだろうか?」というのは、誰しもが抱く疑問だろう。最初に目に付くのは、iPhone 5sではエッジのシャープなメタル製のボディが採用されている点である。また、より新しく、より高速なA7プロセッサや、ホームボタンに内蔵された指紋センサ、より高速に撮影できる優れたオートフォーカスカメラが搭載されており、バースト撮影や低光量環境下での撮影、手ぶれ補正、720pで毎秒120フレームの録画が可能なスローモーションビデオの撮影といったことが可能になっている。さらにiPhone 5sでは64ビット処理が可能となっており、グラフィックス性能に優れているうえ、モーショントラッキング機能の搭載や健康管理/フィットネスアプリを実現するための「M7」コプロセッサも装備されている。そして、iPhone 5cのストレージ容量は16Gバイトと32Gバイトのみであるのに対し、iPhone 5sでは64Gバイトのモデルも用意されている。

提供:CNET staff
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 とは言うものの、これら機能の多くはスペックシート上のもの、すなわち一般的なユーザーは気付かない製品内部の話である。iPhone 5cとiPhone 5sを比較した場合、画面の大きさと「Retina」ディスプレイの解像度は同じであり、LTEの周波数帯も同じとなっている。ほとんどの人が意識するのはこのあたりまでだろう。日々の使用における起動やアプリのロードといった観点から見た場合、iPhone 5cはiPhone 5sと大差ないと感じるはずだ。しかし数カ月後、あるいは数年後に、iPhone 5sというより洗練されたハードウェア向けに最適化された先進的なアプリが登場してくれば、処理速度に違いが出てきたとしてもおかしくはないだろう。

提供:Sarah Tew/CNET
提供:Sarah Tew/CNET

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