ライトSFジャンルでは、山田佳江『ロクコの集合』もよくできている。
通販サイト「ニコニコストア」は、ある日、システム会社から自動顧客応対プログラムの提案を受ける。「ヒカル」「ユリ」「ジュン」「ネネ」、そして彼女らの上司の「ロクコ」、これら5つの人格を使いわけ、顧客にプログラムと気づかせない、自然な応対ができることがウリだ。システムの評判は高く、導入後売り上げが5%も向上したが、カスタマーサービス部長の藤沢は、「ネネ」と妻の生活に、奇妙な符合を発見する。そして、ある日、「ロクコ」が暴走した!「ロクコ」たちの正体は何なのか?そして妻は何を隠しているのか? どうして5人なのに「ロク」なのか?藤沢は事故対策に奔走するうち、隠された真実に気づく。
SF作品では、他に犬吠崎一介の異文明ファーストコンタクトもの『さながら元素のように僕らは出会った』、ライトノベルが好きなら、スクールカーストをテーマとした『戦う僕らのRGB(上下)』も推薦したい。