ニールセンは4月25日、全世界の広告費を調査する「Global AdView Pulse」の2012年第4四半期(10~12月)版の結果を発表した。調査によると、2012年の年間での世界全体の広告費は健全な伸びを見せ、前年と比較して3.2%増となり、5570億ドルとなった。
好調だった第3四半期(7~9月期)に対前年同期比で4.3%伸長したことが年間の広告費増加に貢献したが、第4四半期(10~12月期)は伸長が鈍化、対前年同期比で2.5%増と小幅にとどまった。
地域別にみると、2012年は欧州以外の全地域で広告費が前年に比べて増加。中東アフリカは、地域経済の安定化で年間で対前年比14.6%増と伸びを見せた。中でも、劇的に経済状況が好転したエジプトは対前年比20.4%増となった。
一方、欧州では広告予算の大幅削減が続き、第4四半期は対前年比5.3%減、年間では4.2%減となった。経済が堅調なドイツでも第4四半期は1.0%減となり、2四半期連続での対前年割れとなった。
アジア太平洋地域も、中国の年間広告費の伸びがわずか1.9%増であったことが影響し、2011年の対前年比11.5%増に対し、2012年は2.8%増と伸び悩んだ。
北米の広告費は第3四半期以降も引き続き増加基調にあり、第4四半期は対前年比3.1%増、年間では対前年比4.6%増となった。
媒体別では、テレビ広告費が対前年比4.3%増の3500億ドルで、全広告費に占める割合は62.8%となった。下半期の北米でのテレビ広告費の3.2%増が貢献した。
新聞広告(対前年比1.6%減)と雑誌広告(対前年比0.2%減)はそれぞれに対前年比で減少したが、全広告費でのシェアでは、新聞広告は19.5%(2位)、雑誌広告は8.0%(3位)となり、今なお広告主と消費者をつなぐ主要な媒体であることを示した。
全ての国を対象に行われた調査ではないが、ネット広告費は対前年比9.9%増となり、特にラテンアメリカでは対前年比21.2%増と急拡大。広告予算の削減が続く欧州でも、対前年比7.4%増となった。
映画広告費は2012年の全ての四半期を通して増加し、通年では対前年比で5.8%増。映画広告費の全広告費に占める割合はわずか0.3%だが、欧州(対前年比7.4%増)とアジア太平洋(同10.3%増)では大きく伸長している。
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