2011年広告費:マスコミ4媒体は前年比2.6%減、ネットは4.1%増

 電通がこのほど発表した「2011年(平成23年)日本の広告費」によると、2011年(1~12月)の日本の総広告費は東日本大震災の影響を受けて、前年比2.3%減の5兆7096億円という。

 総広告費は、2004年に景気回復基調とデジタル家電などの普及を背景に4年ぶりに増加した後、2007年まで増加を続けてきたが、2008年の米国金融危機に端を発した世界同時不況を背景に減少に転じ、2010年まで連続して前年実績を下回っていた。

 2011年は、東日本大震災や欧州金融危機、急激な円高、タイの洪水被害による製造業の生産流通体制の混乱などが日本経済を直撃。特に、震災の後に起きた広告自粛ムードが広告費の減少にもつながり、総広告費は5兆7096億円、前年比2.3%減と、前年を割り込む結果となった。ただし年後半は、10~12月期のマス四媒体広告費が好調だった2010年の水準をさらに上回るなど、広告出稿が活性化した。

 媒体別にみると、テレビで前年比0.5%減、新聞が同6.3%減、雑誌は同7.0%減、ラジオは同4.0%減といずれも減少し、マスコミ四媒体広告費は同2.6%減となった。プロモーションメディアも同4.6%減と前年を下回った。

 一方、地デジ化に際しての3波対応テレビの普及で衛星メディア関連は同13.6%増と2ケタの伸びを示した。インターネットはソーシャルメディア活用などの新手法が増えた結果、同4.1%増と引き続き増加となった。

 業種別(マスコミ四媒体)では、「ファッション・アクセサリー」(婦人服、バッグなどが増加)、「流通・小売業」(通信販売、コンビニエンスストアなどが増加)、「情報・通信」(スマートフォン関連、ウェブコンテンツなどが増加)、「官公庁・団体」(ACジャパンなどが増加)など21業種中5業種が前年を上回った。減少は「飲料・嗜好品」(国産ビール、焼酎などが減少)、「家電・AV機器」(液晶テレビ、プラズマテレビなどが減少)など16業種だった。

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