Shum氏と同氏のチームは、Zuneインターフェースで開発したものの一部を新しいタスクに取り入れた。同グループは「Metro」と呼ばれる、新生Windows Phoneのスタイルを作り出した。Metroの特徴は、動的なアップデートが可能なコンテンツを含むタイルだ。そのルックアンドフィールは、旧「Windows Mobile」デバイスを使っていた顧客や、「iPhone」やAndroidスマートフォンを選んだ人々が慣れ親しんだアイコンとは大きく異なっていた。
Metro(Microsoftはその後、おそらく同名のドイツの小売業者との商標問題が原因で、Metroという名称の使用を取りやめている)の着想は、交通機関の標識に使われる道案内図から得たものだ。旅行者が駅やターミナルの構内を迷わずに移動するのを地下鉄や空港の標識が分かりやすく助けるように、Metroも太くて読みやすい文字を使用する。余白が大きく設けられており、ユーザーの混乱を招きがちな、ごちゃごちゃとしたグラフィックスは減らされている。
Metroは、Microsoftの競合が目指す視覚デザインとは大きく異なる方向への一歩だった。AppleやGoogleが好んで作ったのは、現実のものに似せたデジタルアイコンというインターフェースだ。例えばiOSの「Newsstand」アイコンは本棚のように見える。連絡先リストのアイコンは製本されたアドレス帳の画像だ。デザインの世界では、こうしたアプローチは「スキューアモーフィズム」と呼ばれる。Shum氏と同氏のチームはそれを避けた。
Shum氏は「これはスキューアモーフィズムに関するものではない」と述べる。物理的なものを象徴するアイコンから離れて、より明快で簡潔なグラフィックスへと「見方を変えることだ」という。
MicrosoftがWindows Phoneでなにがしかの成功を収めるためには、それが鍵となる。Shum氏と同氏の同僚たちは、競合が既に作っているものを単に改善したOSを作るだけではスマートフォン顧客の支持を得られないということを理解している。
「われわれの視点は非常に明確だ。それについて強い確信を抱いている」(Shum氏)
Shum氏は現在もWindows Phoneグループに所属しており、同チームは自らの作品を洗練し続けている。しかし同氏は、そのデザイン哲学をMicrosoftのほかのチームにもたらす取り組みにおけるリーダーでもある。タイルベースの外観は、Xboxのホーム画面や「Windows 8」のタッチスクリーンバージョンの中心だ。
「これがわたしの現在の旅だ。Microsoftのさまざまな部分を1つにまとめている」(Shum氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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