2013年の展望

2013年のテクノロジ業界を占う--5つの注目ポイント - (page 2)

Jim Kerstetter (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル 編集部2013年01月04日 07時30分

 別の言い方をすれば、米CNETが米国時間12月19日に書いたように、20年前にMicrosoftがAppleに対してしたことを、現在はGoogleがAppleに対して大喜びで行っていると言える。つまり、徐々にではあるが、品質のギャップを埋め、より安価な競合製品で市場をあふれさせているということだ。法廷劇になるかもしれないし、ならないかもしれないが、そうした動きは2013年に加速の一途をたどるだろう。

2. 消費者向けテクノロジ以外でIPO市場が再び加熱

 素晴らしい出来とは言えなかったFacebookによる公開市場への第一歩は、ウォール街が抱いていた、ソーシャルメディアと消費者向けテクノロジへの熱意に水を差した可能性が高い。もちろん、ZyngaやGrouponのような宣伝過剰の企業が(LinkedInやYelpのような宣伝の足りない企業とは違って)非常に不安定に見えたのは、そのせいではない。

 GrouponのCEOであるAndrew Mason氏
GrouponのCEOであるAndrew Mason氏
提供:Dan Farber/CNET

 ウォール街はテクノロジに関心がないということだろうか。そうではない。過去10年の大手テクノロジ企業は、次世代の新興テクノロジ企業のために大きな問題と機会を生み出してきた。われわれが言及しているのは、驚くほど素晴らしいアプリのことというより、ビッグデータやクラウドアプリ、オープンソースへの舞台裏での取り組みのことだ。

 金の動きを追えとは良く言われるが、テクノロジ業界では、ベンチャー企業への投資を追うと良く分かる。マサチューセッツ州のAcquiaはそうした企業の1つで、オープンソースプロジェクトの「Drupal」をベースとする、素早く展開できるコンテンツ管理システムを開発している。同社は11月末に3000万ドルの投資ラウンドを終了し、ベンチャー資金は合計6850万ドルになった。同社は2011年に約100%成長しており、2013年にもさらに80%成長して、従業員数も400人を超えるはずだ。同社の幹部らは、今後12カ月から24カ月の間に株式を公開したいと考えている。

 Acquiaの最高経営責任者(CEO)のTom Erickson氏は、「2010年と2009年には、企業向けソフトウェアでベンチャー投資家の関心を集めるのはほとんど不可能だった。企業向けソフトウェアは終わったと言う投資家もいた。今ではその傾向が逆転している」と語っている。

 これはAcquiaだけの話ではない。ワシントン州ベルビューのSmartSheetは、スプレッドシートやそのほかの種類のビジネスコラボレーションツールをクラウドコンピューティング化している会社で、11月に2600万ドルの資金調達ラウンドを実施した。そして12月上旬にはシリコンバレーで、オープンソースプロジェクト「Apache Hadoop」をベースとしたビッグデータ分析テクノロジを開発してきたClouderaが6500万ドルを調達している。

 そうした会社が人目を引くことはないし、ケーブルテレビ局Bravoのリアリティーショーで、そのような会社を興す人々について放映されることもまずないだろう。しかし、彼らは未来を暗示している。テクノロジ業界の流行は、消費者向けテクノロジと企業向けテクノロジの間を行き来する傾向がある。2013年には、バックオフィス向け製品への揺り戻しが予想される。

3. 興味深さを増すMicrosoftの状況

 2012年は、Microsoftの消費者市場への大規模なカムバックが話題になる年のはずだった。「Windows 8」はすっかり準備が整ったし、Windows Phone 8もそうだ。気の利いた新しいタブレットも進行中だった。ゲームビジネスは相変わらず順調だったし、大規模な企業向けソフトウェアビジネスも同じく順調で、それに多くの注意を払う人はほとんどいないほどだった。

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