では、一体何が起こったのだろうか。Windows 8の販売を評価するには時期尚早だ。しかし早い段階での結果は、まずまずといったところに思える。「Surface」タブレットにも同じことが言えるかもしれない。このタブレットへのレビューはそれほど良いものではない。さらに注目に値することもある。Windows 8とSurfaceの両方の責任者だったSteven Sinofsky氏は2013年に、Windows部門を率いるのではなく、ハーバードビジネススクールで教えることになっている。
Microsoftはいつの間にか、PCという成長を見込めない市場において誰もが認めるリーダー、という不案内な役割を担うようになっている。そして同社は、スマートフォンとタブレットという2つの急成長市場では新入りの立場だ。
さらにSinofsky氏が退職したため、MicrosoftはWindows開発のリーダーをはっきりと決めずにこの山を登ろうとしている。Microsoftの重心が「Xbox」や「Skype」へとさらにシフトしても驚くには当たらない。Skypeは2011年に買収されて以来、CEOのBallmer氏とその仲間たちには十分活用されてこなかったように思える。長年のMicrosoftユーザーを驚かせて逃してしまうことなしに、SkypeをほかのMicrosoft製品とより深く統合することは可能だろうか。
何よりもBallmer氏には、Microsoftがやや小型版のIBMにますます近付いている中年期の大企業ではないことを証明せよという圧力が高まるだろう。さらに投資家らは、Sinofsky氏が退職したことで(そして同氏がそもそも現実に即した選択肢だったかどうかが疑わしい中で)、幹部の後継人事の計画が何かあるのかどうかを尋ね始めるだろう。
難しい恋愛とはこういうものなのかもしれない。ある会社がユーザーを困らせ、ユーザーは激しく非難して、二度とその会社の製品は使わないと宣言する。そこでその会社が謝罪すると(単なる誤解だと言うこともある)、数日後には誰もがそのことを忘れてしまう。
これはまさに、時に機能不全に陥る、Facebookとユーザーとの関係だ。筆者が「顧客」ではなく「ユーザー」と言っているのは、米CNETのNathan Bransford記者が12月18日に書いたように、Facebookのユーザーは同社の製品だからだ。真の顧客は広告主である。最近では、Facebook内のInstagram部門がユーザー(顧客ではない)の写真で具体的に何ができるのか、あるいは何をするつもりなのかをめぐって騒動が起きた。またFacebookは、同社のコミュニティー投票制度を投票率が良くないとして終了している。オンラインの生活が実際の生活を模倣するものであるならば、ユーザーは不満を述べることにはやぶさかでないが、それを自分で何とかしようとは考えないように思える。
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