Googleは米国時間8月15日、Motorola Mobilityを125億ドルで買収する計画を発表したが、この件が落ち着いたとき一番の勝利者になっているのは消費者かもしれない。
GoogleがMotorola買収の決定を下す際、最大の決め手になったのはおそらく同社の魅力的な特許ポートフォリオだろう。しかし、Googleはこの買収によって独自のハードウェアも手にすることとなり、Appleが「iOS」デバイスで行ってきたのと同じようなエンドツーエンドのモバイル体験を作り出す道が開ける可能性もある。
Googleはモバイル市場に対してオープンなアプローチを取ってきた。同社の「Android」ソフトウェアは無料で提供されており、どのハードウェアメーカーでも利用することができる。この戦略によって、Googleはわずか3年で世界第1位のモバイルオペレーティングプラットフォームになった。同社によると、1日あたり55万台以上のAndroidデバイスがアクティベートされているという。
しかし、Googleより閉鎖的なアプローチを取るAppleの戦略にも価値はある。AppleはOSをコントロールしているだけでなく、モバイルハードウェアも構築している。Digital RouteのアナリストであるSandeep Aggarwal氏によると、Appleの製品に対するアプローチはこの6年間、評価額の増加につながり、同社株主に3000億ドル近い価値を生み出したという。
Aggarwal氏はリサーチノートで、「Appleの製品戦略の顕著な特徴の1つは、垂直統合だ。Appleはハードウェアかソフトウェアのいずれかに注力するのではなく、エンドツーエンドの体験を提供している。Motorola MobilityはGoogleをその方向へ導く可能性を秘めている」と書いた。
現在のところ、GoogleはMotorolaのハンドセット事業に関する計画について、あまり多くを語っていない。Googleの最高経営責任者(CEO)であるLarry Page氏は15日午前、投資家との電話会議の中で、GoogleはMotorolaをGoogle内の独立した事業として運営する予定であることを強調した。同氏はまた、AndroidモバイルOSをオープンプラットフォームとしてさまざまなハードウェアパートナーに提供し続けるというGoogleのコミットメントをあらためて表明した。
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