10. Hewlett-PackardのCompaq Computer買収
この10年は、テクノロジ業界における大型買収の10年だった。Oracleは、エンタープライズソフトウェア業界のかなりの部分を買収した。Cisco Systemsは、ひとたびビジネスが好転すると積極的に買収を進め、「Flip Video」カメラのメーカーPure Digital Technologiesから、セットトップボックスを製造していたScientific Atlantaまで、あらゆる企業を買収した。そして、IBMやEMCなど、ほかの大企業もより小さな企業を飲み込んでいった。
しかし、真に劇的な出来事としては、Hewlett-Packard(HP)とCompaq Computerの合併に匹敵するものはなかった。この合併劇は、2001年5月から2002年6月まで続いた。創業者の一族であるWalter Hewlett氏を中心とした古参のHP関係者は、この合併に激しく抵抗した。しかし、当時の大胆な最高経営責任者(CEO)Carly Fiorina氏が率いるHPの取締役会は、DellやIBMのような強力な企業と競争するためにはHPは大きくならなければならないと、株主を説得した。この争いをテーマとして2冊の書籍が書かれ、テクノロジメディアでは(賛否両論の)激しい言葉が絶え間なく行き交った。
結果的にFiorina氏は、自身が正しかったことを証明したとも言える。HPは、景気後退に対してDellがつまずきを見せるなか、これまで以上に力強く切り抜けているようだ。しかし、大局には注力するが細部には気を配らないというFiorina氏のやり方は、同氏にとって致命傷となる。Fiorina氏は解任され、NCRのCEOであるMark Hurd氏が2005年3月に後任となる。Hurd氏は、Fiorina氏に欠けていた経営手腕を持ち合わせていることを証明している。
提供:CNET screenshot