6. Yahooが演じた検索版ハムレット
検索をなすべきか、なさざるべきか。それが最初に問われたのは、米Yahooが2000年に検索ビジネスをGoogleにアウトソーシングするという分別のない決断を行ったときだった。このことにより、Yahooは駆け出しの競争相手に大きな信任票を与え、このビジネスにおけるYahooの革新能力を制限することになった。しかし2004年、Yahooは検索ビジネスを社内に戻した。そのころには、Googleは支配的な検索エンジンとなっており、動詞として使われるまでになっていた。
2008年2月、YahooがぐらついているときにMicrosoftから連絡があり、要求してもいない1株あたり31ドルの買収が提案された。これは、そのときのYahoo株式の取引価格に約62%上乗せした額だった。それからどうなっただろうか。Jerry Yang氏率いるYahooは断った。同社は検索ビジネスを(またもや)Googleにアウトソーシングしようとすらした。しかしこれは、米連邦政府による独占禁止法訴訟が起こるおそれがあり、挫折した。そして結局Microsoftは立ち去っていった。
だが、検索業界のヨーヨーは、まだ止まっていなかった。Yang氏が2008年後半に退任すると、後任のCEOであるCarol Bartz氏の最初の仕事の1つが、まさに、検索から手を引き、検索ビジネスをMicrosoftの新しい検索エンジン「Bing」にアウトソーシングすることだった。この最新の提携は、現在も米政府の承認を待っているところだ。
提供:CNET