Googleの「Pixel 7 Pro」は、総合的に優れた一連の機能と最高峰のカメラシステムが評価されて、待望の米CNETの「Editors' Choice」賞を獲得している。夜間の写真撮影の性能に関してはベストではなかったかもしれないが、日中の撮影性能は、「iPhone 14 Pro」と拮抗していた。Pixel 7 Proの5倍光学ズームはiPhone 14 Proのわずか3倍の光学ズームよりもはるかに優れているが、Pixelに匹敵するズーム性能を備えたスマートフォンが存在する。サムスンの「Galaxy S22 Ultra」だ。
2022年初頭に発売されて以来、Galaxy S22 Ultraはズームの王様として君臨してきた。なんと10倍もの光学ズームを備えており、画質の低下を最小限に抑えながら、被写体に近づくことができるからだ。全体的な画質に関して言えば、S22 Ultraは必ずしも最高のスマートフォンというわけではないが、ズーム性能はライバル機種の追随を許さない。
しかし、Pixel 7 ProはGoogleの高度なAIシステムを利用することで、同社が「超解像ズーム」と呼ぶ機能を実現している。これは、高倍率でズーム撮影した写真にデジタル処理を施し、細部までくっきり表現するテクノロジーだ。
それでは、この2つのフラッグシップスマートフォンのカメラシステムは、特にズーム性能に関して、どちらが優れているのだろうか。それを確かめるため、筆者は両機種を携えて、エディンバラへの旅に出た。
最初のテストは、意外な結果になった。各機種のメインカメラを使用して撮影した上の2枚の写真には、大きな違いがある。Pixel 7 Proで撮影した写真は冷たく見えるのに対し、S22 Ultraの写真はそれよりも暖かみがあり明るい。
上の写真についても、同じことが言える。Galaxy S22 Ultraの写真のカラーバランスは、Pixelよりもずっと目を引く。それが特に顕著に表れているのが、船の側面だ。S22 Ultraの写真では白いパネルがちゃんと白く見えるのに対し、Pixelの写真ではどちらかというと青や紫に近い色に見える。
上の写真を見ると分かるように、超広角レンズに切り替えても、そうした傾向は変わらなかった。どちらの機種も、風景を細部まで捉えており、全体的な露出とディテールも優れているが、S22 Ultraの暖色系の色合いの方が好みだ。
ところが、上の風景写真は、先ほどと異なる結果になった。Pixel 7 Proの写真は、カラーバランスが美しく、S22 Ultraと同様の自然な暖かみがある。露出に関しても、S22 Ultraのように人工的に影を明るくしようとしていないので、Pixel 7 Proの方が自然な感じがする。S22 Ultraの写真は、筆者があまり好きではない疑似「HDR」のように見える。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果