ソニーの新型スマートフォン「Xperia 1 IV」は、無駄のない薄型ボディに自由自在なズームイン、ズームアウトが可能な望遠レンズを搭載している。これは他のどのスマートフォンにもない、Xperia 1 IVだけの特徴だ。2021年に出た「Xperia 1 III」にも望遠レンズは搭載されていたが、無段階ではなく2段階のズームにとどまっていた。この可変式望遠レンズは革新的ではあったが、「Galaxy S22 Ultra」等のライバル機種も、2つの独立した望遠カメラを使って同様の効果を実現できたため、明確な優位性は示せていなかった。
このXperia 1 IVは、本物の望遠光学ズームレンズを搭載した世界初のスマートフォンだ。ソニーはXperiaシリーズで、写真家や映画制作者、ゲーマー、オーディオマニアといったクリエイターの心、創造性、そして財布をつかもうとしている。Xperia 1 IVは現在市販されているスマートフォンの中では最も高額な部類に入り、価格は驚きの1600ドル(約20万円)だ。
Xperia 1 IVは、ソニーが2019年から追い続けてきた理想を体現している。ソニーはそもそも、Appleの「iPhone 13」やサムスンの「Galaxy S22」、Googleの「Pixel 6 Pro」といった主流のスマートフォンと競おうとしているわけではない。Xperia 1 IVは新たな市場を開拓し、独自の世界を作り上げた。
価格に話を戻そう。1600ドルは衝撃的な価格だが、その見返りにユーザーが手にするのは最先端のズームレンズだけではない。高リフレッシュレートの4Kディスプレイ、Qualcommの「Snapdragon 8 Gen 1」プロセッサ、5000mAhのバッテリー、強い落下耐性を誇る「Gorilla Glass Victus」、そして今では代表的なモデルでは見られなくなったイヤホンジャック、拡張ストレージスロット、前面のLED通知ランプといった往年のAndroid機能だ。
ほとんどの人はXperia 1 IVを高すぎると感じるだろう。筆者も同感だ。1600ドルを出すならスマートフォンよりカメラそのものを買いたくなる。しかし、もし予算に余裕があり、写真や映像制作の複雑なプロセスに対応できる最先端のスマートフォンが欲しいなら、Xperia 1 IVは最高の選択肢だ。
Xperia 1 IVは、日本で6月3日から発売されている。米国では9月1日に発売が予定されており、すでに予約販売が始まっている。
カメラに関しては、ソニーから本を一冊書けそうなほど詳細な資料が送られてきた。写真オタクとしては興奮を抑えきれないが、今回の記事では簡潔なレビューを心がけたい。
Xperia 1 IVでは、すべてのカメラが刷新された。いずれも高速センサーを搭載し、複雑な計算や処理も一瞬でこなす。自動露出とオートフォーカスを有効にすれば、どのカメラでも1秒間に20枚の写真を連写できる。
望遠カメラに話を戻すと、85〜125mm(3.5〜5.2倍)の間であれば、どの焦点距離でも光学ズームを使ったなめらかな撮影が可能だ。5.2倍超、または1.1〜3.4倍で撮影する場合を除き、デジタルズームやクロップは行われない。光学ズームを利用できるということは、デジタルズームで発生する画質の劣化がないことを意味する。
試作機を1週間半ほど使ってみたが、新しいカメラには感動させられた。Xperia 1 IVで撮影したお気に入りの写真をいくつか紹介していこう。
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