フォースタートアップスは4月9日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2020年1月から3月までを対象とした「国内スタートアップ資金調達額ランキング」を発表した。
それによると、電力コストの経営課題を解決する次世代サービス「オフグリッド電力サービス」を提供するVPP Japanが、みずほ銀行をエージェントとしたシンジケートローンにより、総額100億円の資金調達に成功。2020年3月時点の資金調達金額ランキングで首位となった。同時に、アイ・グリッド・ソリューションズ、伊藤忠商事を引受先とした第三者割当増資による資本業務提携を実施している(出資額および、出資比率は非公表)。
同社では、2021年までに国内の流通サービス500施設、累計100MWの自家消費太陽光発電システム導入を推進する予定だという。今後、国内最大の自家消費太陽光発電システム運営事業者を目指し、国内のクリーンエネルギー転換における中心的な役割を担っていく方針。
2位には、次世代リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発を進めるAPBがランクインした。総額80億円の大型資金調達を実施しており、この資金は同社が開発する全樹脂電池の量産工場設立を主たる目的としているという。また、全樹脂電池の量産技術の確立、製造販売の開始に向けた投資を推進していく見込み。
このほか、ウォレットアプリ「Kyash」や決済プラットフォーム「Kyash Direct」を展開するKyashが新たに6位にランクインした。シリーズCラウンドでジャフコと8つの海外投資家を引受先とする総額47億円の資金調達を実施しており、今回の資金調達を受けて、事業領域の拡大、特にデジタルバンク事業の推進に充当していく方針。同社代表の鷹取氏が、創業当初より構想しているデジタルバンクの実現に向け、関連する特許の取得なども含めて金融インフラの構築を目指すという。
フォースタートアップスでは、4月1日時点での「国内スタートアップ想定時価総額ランキング」も発表している。同ランキングは、一部融資や社債での資金調達が含まれ、関連会社からの資金調達は除外されている。また、INCJ主導で設立した企業も除外されている。
今回のランキングでは、先月から変化はなかった。しかし、新型コロナウイルスの世界的な流行の中で、企業の経済活動にも影響が出ている。現在の状況でも、新型コロナウイルスへの対応としてサービスを提供をしているスタートアップ企業があり、ランクインしている3社でも、新型コロナウイルス対策のためのサービスを提供している。
たとえば、3位のスマートニュースは、同社が運営するニュースアプリ「SmartNews」において、JX通信社が提供する新型コロナウイルスの地域別感染者数データを3月から配信している。
4位のTBMは、石灰石を原料とする「LIMEXマスクケース」を4月から法人向けに販売している。今後は、法人・個人問わず安価な価格での販売を強化していく見込み。
11位のFiNC Technologiesでは、FiNCアプリでトレーナーや管理栄養士、医師などのヘルスケア領域の専門家が監修した“今だからこそ”の情報をまとめた特集「今こそ、カラダ」プロジェクトを開始。自宅でできるトレーニングや免疫対策レシピ、医師監修のアドバイスなどの情報を集約して提供している。
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