フォースタートアップスは、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2020年1月を対象とした「国内スタートアップ資金調達額ランキング」を発表した。2019年のランキングはこちら。
それによると、日本の製品を購入できる中国向けの越境ECサービスを手掛けるInagoraホールディングスが、総額53億円の調達に成功して首位となった。同社は資金調達と同時に、香港に拠点を置くコングロマリットであるCITICグループとの業務提携を発表。新たな中国人顧客の獲得と販売チャネルの拡大を図っている。さらに、スギ薬局との業務提携も実施。日本企業と中国消費者をつなげるBtoBtoC越境ECプラットフォームの拡大を進める予定だという。
メタップス創業者の佐藤航陽氏が代表を務めるタイムバンクも、39.5億円の大型調達を実施した。空き時間や余剰在庫を安価に提供するマーケットプレイスの運営を行う同社初の外部資金調達となる。今後は、さらなる認知度アップを目的とした広告や事業開拓を進めていく見込み。
モバイルへルスケアを手掛けるFiNC Technologiesは、今回のランキングで4位にランクインした。同社は、34億円の資金調達を実施しており、累計調達額は150億円を突破している。今後はAIの開発や新規事業の拡大、さらにマーケティング強化を図っていく方針だという。
ランキングを領域別でみると、FiNC Technologiesやヒューマンライフコード、ミラバイオロジクス、セルージョンといった、医療分野の企業が4社ランクインした。EC分野の企業も続き、Inagoraホールディングス、タイムバンク、Spartyなど3社がランクインしている。
同社では、2020年2月3日時点での「国内スタートアップ想定時価総額ランキング」も発表している。
7位にランクインしている人工合成クモの糸を手掛けるSpiberは、1月16日に荏原製作所との業務提携および出資を受けたことを発表した。荏原製作所がSpiberに出資した金額は約10億円。この調達によりSpiberの想定時価総額は約1005億円となり、現時点における国内7社目のユニコーン企業となった。そのほかにも、2019年12月に、総額53.8億円の大型資金調達が実施されていたことが登記簿情報より確認できたという。
荏原製作所とSpiberはこの業務提携を機に、Spiberの構造タンパク質素材の開発・製造における技術の製造プロセス効率化に向けて協業していく予定。素材産業の変革に挑み、産業機械分野における製品の画期的な機能性向上と用途拡大を追求していくという。
また、後払い決済サービス運営のPaidyが9位に新規ランクインした。2019年11月にPaidyは総額156億円の資金調達を発表。2019年の国内スタートアップ資金調達額ランキングでは、人気施設の予約受付サイトを展開するEPARKの200.6億円に次いで2番手となった。
しかし、1月にはPaidyを悪用した詐欺行為がフリマアプリ「メルカリ」で発生し問題に。一部のECサイトでの利用を停止する事態となっていた。
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