フォースタートアップスは1月23日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2019年の「国内スタートアップ資金調達額ランキング」を発表した。各スタートアップが2019年に調達した累計金額をトップ50でまとめている。
それによると、1位は累計調達金額が唯一200億円を超えたEPARKとなった。また、累計調達金額が100億円を超えるスタートアップが2018年は、JapanTaxi、Blue Planet-worksの2社だったのに対し、2019年は4社あった。
調達金額が高くなっている要因のひとつとして、同社は海外投資家が関わっている影響があると推測。2019年8月にフロムスクラッチが実施した100億円の調達には、海外投資家であるKKRが含まれており、Paidyが調達した172.5億円にはゴールドマン・サックスを含む5つの海外投資家からの融資が含まれている。さらに、11位にランクインしているSmartHRも、2社の海外投資家を含む調達で61億円を集めた。
ランキングの1位から25位で、調達金額の多いスタートアップの領域をみてみると、3つの領域が挙げられる。ひとつは、宇宙・製造・研究開発を含めるディープテック。ティアフォーをはじめ、SynspectiveやMUJINなど合計8社含まれている。次に多かったのはFinTech。ランキング2位のPaidyをはじめ、ウェルスナビや五常・アンド・カンパニー、ディーカレットなど合計4社だった。3つ目はSaaS。1度に100億円を調達したフロムスクラッチ、SmartHRやウイングアーク1stの3社が含まれている。
同社では、2020年1月6日時点での「国内スタートアップ想定時価総額ランキング」も発表している。なお、一部融資や社債での資金調達が含まれており、関連会社からの資金調達は除かれている。また、INCJ主導で設立した企業は除外されている。
今回は国内スタートアップの想定時価総額を1位から50位までまとめている。
それによると2019年は国内ユニコーン企業数が6社に増加。2018年時点では、現在1位であるPreferred Networksと2018年に上場したメルカリの2社しかなかったことを考えると、日本のスタートアップの成長が著しい。しかし、CB Insightsの調査によると、米国発のユニコーン企業は累計で150社を超えており、グローバルリーダーには程遠いという。
ランキングに入っている各スタートアップの領域をみてみると、ディープテックが15社、SaaSが11社、FinTechが9社となった。ディープテック領域のうち、Preferred Networks、クリーンプラネット、TBM、TRIPLE-1の4社がユニコーンとなっており、国内ユニコーン企業数の3分の2を占めている。
SaaS領域では、KARTE運営のプレイド、HRMOSの運営のほか、転職サイトBizReachの運営も行っているビズリーチ、b-dash運営のフロムスクラッチ、SmartHRなどがランキング入りした。
プレイドはGoogleからの調達を、フロムスクラッチはKKRやゴールドマン・サックスなどから約100億円の調達を、SmartHRは UberやSlack、Lyftなどに投資をしているLight Street Capitalなどから61億5000万円の調達を実施しており、海外投資家からも注目されていると同社では説明。FinTech領域では、リキッドグループがユニコーンに、そのほかにもOrigami、ウェルスナビなどがみられた。
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