2017年、広告業界で話題をさらったのは、ブランドセーフティと透明性。
スマートスピーカーを始め、人工知能(AI)搭載機器がマーケターの想像力をかきたてた年でもありました。
2018年の広告業界は、どのようになるのでしょう。
Ad Ageが選ぶ世界の広告主トップ100社のうち、91%と取引のあるアンルーリーが、最近の発注傾向などから、2018年の動向について予測します。
消費者の購入意思決定に、スマートデバイスが影響を及ぼすようになっています。音声検索の普及により、消費者に選ばれるブランドになる必要性がますます高まります。音声検索を使い、デバイスに向かって「買い物カゴにシャンプーを入れて」とブランド名を言わずに指示すると、その人の嗜好に関係なく、アルゴリズムがどのシャンプーを注文するかを決めてしまうからです。
企業にとっては、消費者の心に訴えかけ、ブランド名の記憶を促すキャンペーンが重要になると予想されます。サービス、商品名を音声や効果音でアピールするサウンド・ブランディングを使うと、ブランド名の記憶率が96%と高くなる(出典:レスター大学)ため、サウンドロゴを耳にする機会も増えるでしょう。
ユニリーバは、昨年、女性または男性に対するステレオタイプ的な描写を無くした#UNSTREOTYPEキャンペーンを始めました。
同社の食品ブランドの広告では、料理は女性だけでなく男性にとっても料理は楽しめるものだというメッセージを発信。また、男性用化粧品Lynx(日本ではAXE)の広告では男性は勇ましくあるべき、といった固定観念を打ち破るキャンペーンを実施しています。
既にAT&T、ジョンソン・エンド・ジョンソン、Microsoftなどが賛同していますが、2018年にはこの動きに倣う大手企業が増え、このような広告表現の改革は消費者から信頼を得て、ブランド・ロイヤリティを高める上で重要になるでしょう。
しかし、社会的固定観念を排除したクリエイティブだけでは十分ではありません。効果的なキャンペーンを実施したいならば、広告配信方法からも固定観念を排する必要があるでしょう。
つまり、単純にデモグラフィック属性でターゲットを絞るのではなく、消費者の感情や人格タイプを基にターゲットするということです。
アンルーリーでは、年齢、性別、職業、関心といったターゲティング項目に加え、誠実な性格か、協調性に富むか、情緒的な人なのかといったパーソナリティを加味して広告配信する手法を開発し、広告効果を高めています。
これは、アンルーリーとIBM Watsonとの技術提携により、サイコグラフィック属性、つまり消費者の心理的な傾向を軸にしたセグメンテーションと、広告配信ターゲティングを実現したものです。
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