大阪市で開催中の大阪・関西万博。そのシンボルの一つが「大屋根リング」だ。全長約2kmに及ぶ巨大な木造構造物で、そのスケールには実際に訪れると圧倒される。
昼間でも十分に見応えがあるが、夜になると光の演出が加わり、幻想的な雰囲気を醸し出す。SNSでは「どこを切り取っても映える」「幻想的すぎる」と話題だ。
この大屋根リングの照明を手掛けたのが、パナソニック エレクトリックワークス(以下、パナソニック)だ。
パナソニックは、この大屋根リングの照明に、最新の照明制御システム「街演出クラウド YOI-en」(YOI-en)を大規模に導入。全周2kmにわたって1.2m間隔で設置したフルカラーのスポットライト(約1600台)をクラウド経由で集中制御し、時刻や四季に応じた照明演出を実施している。
このYOI‑enは、インターネット経由で接続されたコントローラを介して照明を制御するクラウドサービスだ。広域空間や複数拠点を連動させた演出が可能になり、従来は拠点ごとに担当者が必要だった照明システムを、PC上から一括で管理できようになる。また、「分」「1日」「1カ月」「1年」といった時間軸による演出の自動切り替えが可能で、刻々と変化する照明演出も可能になる。
大屋根リングのスカイウォーク上では、約1600台の照明の明暗が揺らいで「呼吸」を演出。さらに、毎時0分と30分には四季をテーマにした演出、毎時15分と45分には光が走る「うごめき」の演出にそれぞれ自動で切り替わる。
また、クラウドにつながる特徴を活かし、人流カメラとAPIで連携。混雑状況に応じて照明の明るさを自動調整し、省エネにもつなげている。2km級の大空間の照明をリアルタイムに制御し、人流データと連携させた例は国内でも珍しいとパナソニックは説明する。
YOI-en以外にも照明の工夫は多い。スカイウォーク上のスロープにはライン照明を設置して歩行に必要な照度を確保。さらに下面全体を照らし上げ、空間全体の明るさ感を演出している。また、通路にはヒーリング系のBGMが流れ、幻想的な照明とマッチしている。
大屋根リング1階の「グランドウォーク」には、約2400台のスポットライトで地上面を均一に照らし、小型投光器約700台で大屋根の内外周を照らし上げ、天空への光漏れを抑えつつ木造屋根を美しく浮かび上がらせている。
こうした最新の照明設計によって、大屋根リングは昼と夜で全く違う表情を見せている。大阪万博は昼だけでなく夜もぜひ訪れると良いだろう。
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