「MacBook Pro」の13インチ「Touch Bar」搭載モデルを2週間ほど使ってみた。これまでにわかったことをお伝えしよう。
Touch Barは従来のF1~F12キー、Escキー、電源ボタンに代わって、キーボードの上部に設置された横長のOLEDタッチスクリーンだ。Touch Barの右端には「iPhone」と同様の指紋リーダーがあり、これを使ってTouch IDによる安全なシステムログインや「Apple Pay」でのオンライン決済が可能になる。
デフォルトでは、Touch Barにはスクリーンの輝度や音量のコントロールといったシステムツールが表示される。しかし、一部のアプリ(現状では「Safari」などのApple製アプリがほとんどだが、今後サードパーティーのサポートも拡大していく予定)を使用するときには、新しいコンテキストコマンドがTouch Barに表示され、システムツールは一部が非表示になってバーの右側に移動する。この状態でも音量や輝度のコントロールは使用できるが、デフォルトのコマンドリストをすべて表示させるには、小さな矢印をタップしてリストを展開しなければならない(展開すると、今度は使用中のアプリのコンテキストコマンドが表示されなくなる)。
新しいMacBook Proの13インチTouch Bar搭載モデルをしばらく腰を据えて使用し、さまざまなアプリでその機能をテストしてみて感じたことだが、コンピューティング体験を向上させるツールではあるものの、根本から変えてしまうようなものではない。フルサイズのタッチスクリーンに比べて機能は限られているが、AppleはTouch Barを利用して、キー入力回数の低減やタスクの合理化を実現し、いっそう細かなコントロールを追加する方法を見つけ出した。
Touch Barを遠くから見ただけの人は小細工だと切り捨てるが、筆者は使い始めて間もないうちに、Touch Barが従来のキーボード入力やタッチパッド入力よりちょっとした作業をうまくやれることに気づいた。また、ごく短時間のうちに、こうしたTouch Bar機能の一部を直観的に、考えることさえなく使えるようになっていた。
少しの間、Touch Barをさまざまなアプリで試してみれば、おそらく5~6個くらいのショートカットに関してTouch Barのことが好きになるだろう。とはいえ、それ以外の点ではコンピューティング体験は何も変わっていない。
そのため、Touch Barを新しいMacBook Proラインアップの高価なアドオンとして正当化するのは難しくなる。Touch Bar搭載で最も安価なMacBook Proは、今回レビューしている1799ドルのモデルだ。メインストリーム寄りの1499ドルのエントリーレベルMacBook Pro(Touch Bar非搭載)より300ドル高い。だが、1799ドルのモデルはTouch Barに加えて、より高速なプロセッサ(2.9GHzのIntel「Core i5」、1499ドルのモデルは2.0GHzのCore i5)、少しだけ高性能なIntelの統合グラフィックス(「Iris 550」、1499ドルのモデルは「Iris 540」)も搭載する。「Thunderbolt」(USB-C)ポートの数も4基と、エントリーレベルモデルの2倍だ。したがって、少なくともTouch Barのためだけに300ドル高くなっているわけではない。
エントリーレベルの13インチMacBook Proはこれまで1299ドルだったが、このモデルのストレージ容量は新モデルの半分で、128Gバイトしかなかった。エントリーモデルの価格が安く、ポートの種類が豊富な旧型MacBook Pro(これはこれで素晴らしい製品だった)を買いそびれたと悔しがっている人のために紹介しておくと、少なくとも当面は、2015年の13インチモデルと15インチモデルがいずれも単一構成で販売される。
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