「MacBook Pro」を2週間使ってみて--注目の新機能「Touch Bar」はどこまで便利か - (page 2)

Dan Ackerman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2016年11月24日 07時00分

1つのバーにいくつもの機能

 Touch Barは可能性に満ちているが、それに取って代わられるメニュー内の分岐メニューと同様に、Touch Barの一部の機能も、使うアプリによっては深い階層に埋もれて、タップやスワイプを何度もしないと辿り着けない場合がある。2170×60ピクセルのディスプレイに詰め込める情報量は限られているからだ。

 Touch Barの使い方を実際に説明している資料はほとんどない。各対応アプリケーションでコンテキストに応じて表示される新しいボタンを見て、使い方を理解するのはユーザーの役目になっている。ほとんどのボタンの表示は論理にかなっているが、多層構造になっているオンスクリーンボタンもあり、下の層に進んだ後、また上の層に戻るという操作は必ずしも直観的ではない(Appleの写真整理および加工アプリ「写真」など)。一方、アプリの最も重要な機能がTouch Barボタンとして完璧に抽出されており、それらの機能を簡単に選んで、すぐに使えるケースもある(Safariや「メッセージ」など)。

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提供:Sarah Tew/CNET

 Touch Barの一連のコマンドには、ビジュアルと構造に関してそれぞれ独自の体系がある。Apple製のプログラムだけがサポートされている間は、その体系を解釈するのは簡単だが、他のソフトウェアメーカーがTouch Barをどのように扱うのかは、今後の成り行きを見守るしかない。「Windows」PCメーカー各社は長年にわたり、プロプライエタリなソフトウェアのインターフェースを適切に提示する方法に頭を悩ませており、消費者が既に慣れ親しんでいるようなアプリや、次のバージョンで廃止もしくは大幅に変わる可能性のあるプログラムや機能について、新しい挙動を何度も学習するよう消費者に求めてきた。

 Adobeはこの分野で大いに注目したい企業の1社だ。同社はTouch Barサポートの主要パートナーであり、「Photoshop」は2016年中にTouch Barコントロールに対応する。Adobeがどんな手を打つのか、長年のPhotoshopユーザーがTouch Barを気に入るのかどうか、非常に興味深い。Adobeは卓越したユーザビリティとプラットフォームの継続性に秀でた企業であるため、この点は特に重要だ。

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提供:Sarah Tew/CNET

 Microsoftも「Office」のTouch Bar対応を約束している。しかし、AdobeやMicrosoftといった企業が実際にサポートを追加するまでは、「メール」、メッセージ、「iTunes」、SafariなどApple製アプリがメインだ。筆者はTouch Barによってこうしたアプリの利便性が増すと感じたが、それはApple製アプリを実際に使うことが前提になる。iTunesではなくSpotify、あるいはSafariではなく「Google Chrome」を使っている人の場合、それらのサードパーティーアプリでTouch Barができることは多くない。音量コントロールなど、以前はファンクションキー列に割り当てられていた基本的なシステム機能だけだ。

 比較対象として興味深いのが、Microsoftの新しい「Surface Dial」だ。この物理コントロールノブは多くのWindows PCで動作するが、特に「Surface Studio」デスクトップを想定して設計されており、Touch Barと共通点が多い。Touch BarもSurface Dialも、一部アプリの特定のメニューアイテムにアクセスしやすくなる。Surface DialもTouch Barと同じく、対応アプリを使っていないときは音量コントロールなどの基本的なシステム機能が提供される。

 どちらも開発のごく初期の段階にあり、幅広いアプリにサポートを求めている(いずれもPhotoshop専用のコントロールセットをまだ備えていない)。イラストレーターやアニメーターにとって、Surface Dialとそのアナログ的な大型ホイールは大きな魅力だろう。一般的なコンピューティングを効率化するという点においては、今のところAppleのTouch Barの方が早く効果を発揮すると筆者は感じている。

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