Appleは米国時間10月27日、4年ぶりとなるハイエンドノート型Mac、「MacBook Pro」を刷新した。過去にAppleはiMacを登場させる際「hello again」というフレーズを用いたが、今回も同様のイベントタイトルをつけている。
AppleのTim Cook CEOはイベントで、2016年が、ポータブル型Macの25周年であることに触れた。インターフェースやデザインの面で業界をリードしてきたとし、今後もMacを前へ推し進めていく決意を語った。
PC市場は縮小傾向だ。主流はデスクトップからノート型へと移り、コンピューティングの主戦場もタブレットやスマートフォンなどに明け渡している。もっとも、Appleがその移行を先導した本人と言える。
PCメーカーに変わり、GoogleのChromebookや、Microsoft Surfaceなど、巨大なテクノロジ企業の新規参入で、市場の様相も変化しつつある。そうした中では老舗となったAppleが、どんな戦略をとるのか、この新しいMacBook Proに注目が集まっていた。
AppleはMacのラインアップのシンプル化を図っている。これまで、MacBook、MacBook Air、MacBook Proという3つのラインが存在してきたが、今回の発表でMacBookとMacBook Proの2ラインという方針が見えた。MacBook Airは、13インチモデルのみを残して、終焉を迎えつつある。
変わって、MacBook Proにもスタンダードモデルが用意された。今回レビューするのが、スタンダードを担う、Touch BarのないMacBook Pro 13インチモデルだ。ちなみに、ハイエンドにも13インチと15インチが用意されるが、スタンダードモデルとの違いは、より強力なプロセッサと、新しいTouch Barと呼ばれるインターフェースの搭載、そしてThunderbolt 3のポート数、そして内蔵しているマイクの数だけだ。
2~3週間後に出荷されるTouch Bar搭載モデルを前に、基本的なマシンの素性を知る一助となれば幸いだ。
MacBook Pro 13インチは、全く新しいデザインへと変わった。同じ13インチモデルでありながら、非常に小さくコンパクトに感じる。これには3つの要因がある。
まずMacBook Airや過去のMacBook Proに比べて、面積が小さいことだ。ディスプレイの額縁にあたる部分が小さくなり、縦横の長さが圧縮された。
2つ目は、3.1mm薄くなったことだ。そして3つ目は、見た目ではないが、軽量化が進んだこともコンパクトに感じられる印象を生み出している。210g軽くなり1.37kgになった点は、日々の持ち歩きにも非常に有利だ。
もう少し外装を見ていこう。いままでのMacBook Proでは、ヒンジの部分には黒いプラスチックのパーツが配置されてきた。新モデルでは、ボディと同じアルミニウムのパーツで構成されており、異質感がなくなっている。これは2015年発売のMacBookから採用された新しいデザインだ。また、色は、シルバーに加えて、スペースグレイも追加された。
細かい所だが、キーボードの左右には、15インチモデルでおなじみだったスピーカのメッシュが空けられている。スピーカも新設計となっており、これまでよりも広いダイナミックレンジと大きな音量を実現した。
この原稿を書きながら、2001年のFantastic Plastic Machineのアルバム「Beautiful」を流してみた。左右のチャンネルも歯切れ良く、音の拡がりを感じやすくなり、クリアで抜けの良い心地よさがあった。スピーカの開口部がはっきりとしたことは、特にボーカルの聞こえ方に効果的だと感じた。ただ、低音には物足りなさもある。
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