来た、見た、モバイル展示会。
ワイヤレス技術の年間最大の見本市が、晴天のバルセロナにおいて現地時間2月26日、幕を下ろした。この1週間は、あらゆる種類のガジェットが展示された一方で、スペシャルゲストを呼んだり、フットボール場(サッカーもアメフトも)を使ったりと派手な製品発表会が開かれ、おなじみの企業と新興の企業が注目を競い合った。交通機関のストライキが重なったものの、全世界から膨大な数の人が集まり、山のように盛った生ハムがふるまわれ、大盛況となる。それがMobile World Congress(MWC)だ。
見るべきものはたくさんあるが、だからこそ可能な限り多くの内容をお伝えすべく、6カ国から多数のCNET記者が取材に赴いた。MWCで見て来たものを紹介しよう。
CNETの全員が(そしてMWCを訪れた大半の人が)同じことを言うに違いないが、一番の驚きは仮想現実(VR)の存在感の大きさだった。あまりの大きさに、むしろスマートフォンを押しのけてMWCの必見のカテゴリになってしまったほどだ。もちろん、仮想現実も技術的にはモバイルである(持ち運べるという意味で)ということはわかっているが、スーパーボウルに行ったのにホッケーを観戦しているような気分になった。ここ何年かでタブレットやウェアラブルの注目度が高まったものの、MWCはやはり、携帯電話が主役の展示会だ。
だが、一歩退いて考えてみると、MWCで仮想現実の存在感が増した理由を理解できる。現実世界で最大のスマートフォンブランドの1つであるサムスンが、「Galaxy」端末シリーズとVRを初めて結び付け、「Gear VR」ヘッドセットを発表したのは、2014年のことだった。HTCは、「Vive」ヘッドセット(こちらはスマートフォンではなくPCが必要)を2015年のMWCで発表した。そして2016年、HTCはコンシューマー版Viveの価格を発表している。799ドルと安くはないが、米CNETのScott Stein記者によると、付属のアクセサリを考えれば妥当な価格だという。
サムスンから新しいヘッドセットは発表されなかったものの、「Galaxy S7」発表イベントに参加した全員が、VRヘッドセットを装着した同スマートフォンが披露されるのを目撃している。確かに、筆者が今までに見た中で最も奇妙な発表会の1つだった。もちろん、サムスンはVRカメラ「Gear 360」を発表したし、Galaxy S7を米国で予約した人にGear VRを漏れなく無料で提供すると約束した。展示会場に戻ってみると、サムスンのVRローラーコースターが大人気の出し物になっており、ホールに長蛇の列ができていた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」